桜を見る会だけじゃない。安倍首相の地元で公共事業が激増の衝撃

 

山口県民一人当たりの公共事業費は隣県の6倍

山口県の隣県である広島県と比較すれば、山口県の異常な優遇さがわかります。山口県と広島県は、同じ瀬戸内海に面した中国地方の県であり、地域的な条件はあまり変わりません。広島県の人口は約282万人です。山口県はその半分以下の約137万人です。両県は、安倍首相の再就任前までは、県民一人当たりの公共事業費はそれほど大きな違いはありませんでした。しかし安倍首相の再就任以降、山口県の予算は急増し広島県の予算は急減するのです。

2014年以降は、人口が半分以下の山口県の方が広島県よりも公共事業費の総額で上回っています。県民一人あたりにすると山口県は広島県の2倍以上となっており、2016年にはなんと7倍以上になっているのです。国は「山口県では2016年に日露首脳会談が行われており、そのために公共事業費がかさんだ」と言い訳するでしょうが、主要国との首脳会談などは毎年のように行われているものであり、そのたびに公共事業費が跳ね上がっていては歳入がいくらあっても足りないというものです。

また日露首脳会談が行われたのは2016年であり、たかが一国との首脳会談で準備に何年もかけたわけではないので、2016年以外の公共事業費の激増は説明がつきません

そもそも日露首脳会談を安倍首相のおひざ元でわざわざ行うこと自体、不自然なのです。山口県は、他の主要都市に比べるとインフラ等が整っていないので、ここで主要国との首脳会談などを行うと、建設費や警備費がかさむことはわかっていたはずです。外国人が喜ぶ京都などで行うならまだしも、それほど有名ではない山口で行う必要はなかったはずです。とにもかくにも、国の公共事業費の山口県への支出は、明らかに不審な点があるということです。

山口県と広島県の県民一人当たりの公共事業費

 

  • 2012年(安倍首相再就任前)
    山口県・約3万9,000円  広島県・約3万1,000円
  • 2013年(安倍首相再就任初年)
    山口県・約6万1,000円  広島県・約3万2,000円
  • 2016年(安倍首相再就任3年目
    山口県・約11万8,000円 広島県・約1万7,000円

まあ、これらのデータを見れば、安倍首相が再就任して以降、山口県が異常に公共事業で優遇されていることは、どう頑張っても否定できないところです。これらは、国土交通省のサイトに行けば公表されているデータであり、誰でも見ることができます。

だれでも見ることができるデータの中で、これほど明確に地元を優遇しているのだから、そのわきの甘さには、驚嘆してしまいます。

そして、誰でも見ることのできるデータでさえ、これほど優遇されているのがわかるのですから、データで見えない部分はさらにもっとすごいことになっていることが予想されます。

と、ここまで安倍首相のわきの甘さを追求してきたわけですが、これを単純な「安倍首相批判とは受け取ってほしくないのです。「身内を優遇する」というのは、現代の政治家としては失格だと思われます。が、では安倍首相の代わりが誰かいるかといえば与野党も含め誰もいないのです。消費税の増税なども含め、安倍首相の政策には疑問点が多々あります。わきも甘いです。

でも、ほかの政治家やほかの政党が政権を担うよりは、まだマシという状況があります。日本の政治の本当の貧困さはそこにあると思われます。そして、そういう政治家を選んできたのは、我々国民なのです。

日本の政治というのは、国民全体で相当の覚悟を持って根本からリニューアルしないとならない時期に差し掛かっているものだと思われます。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)

※情報提供・武田知弘

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