電子タバコに手を出すと死亡することあり
電子タバコが原因となった肺の病気は、2019年10月12日の時点までで、全米で1000人以上の患者が報告され、そのうち20人以上が死亡しています。残念ながら亡くなられた患者さんの肺の病理を調べた研究によると、毒物吸入による化学性肺炎様所見が主体です。しかし、様々なタイプの肺障害が確認されており、複数の原因物質が関与していると考えられています。
原因物質として疑われているものには、リキッドに添加されているビタミンEだけでなく、アメリカで合法的に使用が広がっている大麻、すなわちマリファナの成分であるテトラハイドロカナビノールなども挙がっています。アメリカでは、電子タバコの装置を使ってマリファナを吸っている若者が増えているからです。
もともと電子タバコは中国で開発されたものであり、リキッドも中国製がかなり出回っています。リキッドに含まれる不純物が原因の可能性もあります。いずれにしても、電子タバコは危険です。アメリカのいくつかの州で電子タバコを禁止する動きが見られる中で、トランプ大統領は、フレーバー入りの電子タバコを禁止すると発表しました。また、インドは電子タバコを全面的に禁止すると決定しました。電子タバコに手を出すな、これが今回の私からのメッセージです。
文献:
● Henry TS, et al. Imaging of Vaping-Associated Lung Disease. N Engl J Med 2019; 381:1486-1487
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