松下幸之助が、部下に事業部長の辞令をなかなか手渡さなかった訳

 

「生活のため」と割り切るのも一つの働き方ですが、「仕事を楽しむ、好きなる」ということも重要なようです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、伝説の経営者・松下幸之助の薫陶を受けた上甲晃氏が、かつての上司と松下氏とのエピソードから垣間見えた「幸之助流の仕事観」を紹介しています。

松下幸之助氏からの質問

創業した松下電器産業(現パナソニック)を一代で世界的企業にまで育て上げた松下幸之助氏。

現在発行されている『致知』12月号では、その謦咳(けいがい)に接し、教えの伝導に尽力している志ネットワーク「青年塾」代表の上甲晃氏に、最近知って感銘を受けたという松下幸之助氏のエピソードをご紹介いただきました。

「松下幸之助氏が入社式で語ったこと」 上甲晃(志ネットワーク「青年塾」代表)

先日、私の上司だった方が亡くなられたのですが、追悼文集の中にその方が松下幸之助に事業部長の辞令をもらいに行った時の話が紹介されていて、感銘を受けたんです。どういう話かというと、辞令を手渡される前、松下幸之助から

「事業部長の心構えはなんや?」

と聞かれたので、

「誠心誠意、頑張ることです」

と答えたら、

「それは新入社員でも言える言葉や」

と。そして次に

経営好きか?

と聞かれて答えに窮していると、松下幸之助はこう言ったというんです。

「君な、経営というのはうまくいくと思っても、いかんことがいっぱいあるんや。でもな、経営が好きやったらなどんな辛いことがあっても病気にならんのや。好きやなかったら、病気になるで」

そしてもう1回、

「君、経営好きか」

と聞かれたので、

大好きです

と答えたら、やっと辞令をもらえたそうです。ただし、

下手の横好きはあかんで

とダメ押しがあったそうですが。経営・仕事が好きかどうかを確かめる。ここにも、松下幸之助の仕事観がよく示されているように思いますね。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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