ママは休んじゃダメですか?子を産みたくなくなる社会の無慈悲

2019.12.17
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by MAG2 NEWS編集部 HY
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「育休明けに自分の選択で管理職を降りた」という「ワーママはる@打倒長時間労働!」さんのツイートや記事が話題になっている。女性のキャリアとライフイベントの両立の難しさや、ワーママの働きやすさを確保するための同僚たちの負担、親のキャリアのために子どもが置いてけぼりになるのではないかという懸念など、様々な反応の声が聞かれるが、ワーママ編集部員 HYの身にも最近、女性のキャリアについて考えさせられる出来事があった。

話題「ワーママはる@打倒長時間労働!」さんのTwitter

ママは休んじゃダメですか?

先日、我が家に夫の友人やその家族たちが遊びに来た。その中に大学の後輩である独身男性A(某コンサルティング会社勤務、32歳)がいたのだが、彼が発した一言が、その場にいたワーママたちを絶望の淵に追いやったのだ。

Aの上司は、3歳のお子さんを育てながら仕事をしている女性マネージャーだが、夫が多忙のため、平日はほぼワンオペ状態。子どもの突発的な発熱などの際には実家を頼ることもあるというが、コンサルティング会社のマネージャー職という重責を担いながら、ワンオペで家事と育児を回しているのだという。

「子どものお迎えのため、いつもダッシュで会社を走り去っていく」というAの上司。Aは「上司の帰宅後はチャットツールで報告をしたり、指示を受けたりしている」と言っていたが…ちょっと待ってほしい。彼女にホッと息つく時間はあるのだろうか、自分の趣味やリフレッシュのために使える時間はあるのだろうか。

Aの上司についての詳細な情報は持ち合わせていないが、3歳の子どものお迎え後といえば、食事を作り、食事を食べさせ、お風呂を沸かし、お風呂に入れ、歯磨きをさせ、絵本を読み聞かせ、となかなか忙しい。その育児の合間に食事の後片付けや洗濯、明日の保育園準備なども入ってくるだろう。それに加え、彼女はその合間になんとチャットツールで業務指示を出したり、報告を受けたりもしているというのだ。もちろん土日は保育園も休みになるため、「自分の時間」とはならない。

「一体彼女はいつ休んでいるのだろう?」ふと口を衝いて出た言葉に対するAの反応は、「でも、世間のワーママって、そんなもんじゃないですかね?」というものだった。

Aを批判するわけではない。男女平等が叫ばれ、働き方改革が進んでも、それが「世間の見方」なのだろう。まるで「子どもを産むこと、産んでもなお働くことを選んだのだから、休めなくても自己責任だろう」と言われているようで愕然とした。

ママに強いる負担が少子化を加速する

私の他に2人いたワーママも言葉を失っていたが、ワーママの奮闘をそばで支えるパパたちの必死なフォローもまた、現代社会を物語っているように聞こえた。「ママだって休みたいよな」「男性がもっと育児参加しやすくなればいいんだけど…」、でもどうしようもないのだ。「ワーママはる@打倒長時間労働!」さんが記事内で答えていたが、男性たちも女性の働きやすさを確保するため、長時間労働で業務をカバーしてくれているのだから。

「ワーママは生産性が高い」「生産性の高さはワーママに見習おう」などという記事を見かけることもあるが、では限られた時間の中で成果を出せないママは、「働く資格がない」とばかりに職場や社会から弾かれる存在なのだろうか。ママだって、人間だ。スーパーウーマンばかりではない。疲れるし、一人の時間だってほしいし、頭が回らない日だってあるのだ。

先週、出生率が過去最低を記録した(参照:120年間で最少に。出生数90万人割れで韓国レベルに落ちる日本)というニュースがあったが、至極当然ではないだろうか。2人目なんて産んだらますます休めなくなるのだから…。そして無理ゲーの中必死で働くワーママを身近で見ている次の世代は、「産みたい」と思うのかどうかも甚だ疑問である。

「ママは休めなくて当然。それは自分が選んだ道じゃないの?」そんな無慈悲な声を投げかけてくる社会で、誰が子育てと仕事を両立したいと思うのか…。ワーママの苦労は「キャリアの中断」のみに限らない。心身の健康を害する危険を孕みつつ、子どもに寄り添う母であり、生産性の高いワーキングウーマンであることを求められているのだ。

image by:shutterstock.com

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