どうやったら話せるようになるのか?
ではその、「話したいことを見つける方法」に移ります。これはもう、習慣化する以外に手はないと思います。その人が生きてきた時間分、話す時の思考習慣は積み重なっているものです。それを、何か薬のようなもので、明日からがらりと変えることができれば、苦労はありません。
ただ、なにごともそうですが、習慣化することは、知らず知らずのうちに、人を変える大きな力になってくれるのは、ご存知の通り。そして、自分自身に新しい習慣を導入するためには、そのスイッチを自分で入れられるようにしておくことが大切で、そのために私が指導しているのは、一番効果的な表現で、極力短く、言語化しておくことです。
そして、今回のテーマ、最初に結論を持つこと=話したいことを思いつくことを習慣化するためのスイッチワードは、「面白がりポイントを一行で考える」ことです。
時事ニュースにしても、仲間内の話、仕事の話にしても、話題にするに足る内容を持った話を、一度自分で消化して、自分の言葉で話せるようになるためには、自分なりの切り口が必要になります。それがここで言うところの、「面白がりポイント」です。
面白、と表現しましたが、ゲラゲラ笑えるようなものだけではありません。簡単な言葉で言えば、私、思うんだけど、それって、こうだよね!こう思わない?というポイントです。
新聞や雑誌、ネットニュースを見たら、こういうポイントを一行で言語化する習慣をつけるのです。メモや日記にしておくことをオススメします。文字で残しておくと後から見返したときに、そのテーマで話すことに思いを巡らせますよね。それが話す練習につながるのです。
例えば、16歳の環境活動家、グレタさんの話題が頻繁にニュースになりましたが、それを読んだときに感じた「私、思うんだけど…」これを一行で記しておくこと。「(私、思うんだけど、)なんか心から賛同できないこの違和感は何?」ぐらいの言葉を付け足しておくわけです。
すると、いざこのテーマで話をするときに、話し始めに考えることといえば、なんか心から賛同できない違和感は何?という結論を満たすためだけに「必要な話の要素を揃える」…例えば、グレタさんはどういう人で、こういう活動が評価されたわけだけど、一方で、こんな事実もある。だから、心から賛同できない違和感が残る…こういった要素を並べるだけで、話は成立しますよね。
これが、芋づる式に話ができてしまう、ということです。ここで大事なのは、「賛同できない違和感」までを面白がりポイントにすること。グレタさんの件、とか、グレタさんが気になる、ぐらいではダメ。それでは何が言いたいのかが定まっていないため、話の引き出しの中で、結局、風化していってしまうものです。