誰にとっての「問題」なのか。子供の問題行動を問題にする人たち

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教育現場で耳にする「問題児」や「問題行動」。はたしてそのすべてが本当に「問題」として解決しなければならないことなのでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、「イレギュラー」を受け入れ「楽しむ」という姿勢が教師や大人たちにとっていかに大切かを説いています。

「問題児」が問題か

赤坂先生のセミナーでの学びの続き。

個人的には好んで使わないが、いわゆる「問題児という言葉がある。要は、「イレギュラーな動き」をするお子さんである。こう言われてしまう子どもたちに対し「どう思うか」と投げかけられた。

近くにいるサークルメンバーと話したが、揃いも揃って「面白いよね」という意見である。みんな経験豊富なので、基本的に前向きである。

仲間曰く「それは制度設計に含まれているべき」という意見。全く同感である。そもそも、みんな予想通りの動きでお利口さん、みたいな学級があったら気持ち悪い。もしそんな学級があったら、「異常に抑圧されている」というような、歪みがあるはずである。

講師の赤坂先生から参加者へは「先生を楽しんでいますか?」との言葉が投げかけられた。これが最も大切である。

多くの教師が集まるある大きな会で、各提案者からの実践発表があったという。その中で最も観衆の心をつかんだのは、経験豊富なベテラン勢ではなく、新卒の初任者の先生の発表。クラスの「元気のよい」子どもに「カエルを投げつけられたという出来事を、実に楽しそうに語ったという。

人によっては、「問題児」扱いかもしれない。しかし、その先生にとっては純粋に「びっくりした!」という出来事である。それを一緒に楽しんでしまえる姿勢。これこそが、今、すべての教師に本当に求められている姿である。

問題行動を問題にしているのは、実は大人の方である。教師や親の方である。子どもたちにとっては、問題でも何でもないかもしれない。

先生を楽しんでますか。

見つめ直したいテーマである。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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