放たれないアベノミクス第三の矢。永遠に日本が改革されない訳

安倍首相_0117
 

昨年末は、日本の縮図を示すようなニュースが2つ舞い込みました。「大学入試改革」と言いつつ事実上のマークシート方式続行、「日本郵政代表交代」と言いつつ元官僚を選出…改革を掲げながら玉虫色に見える点は、中庸を好む日本ならではかもしれません。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、改革を本気で断行するのに必要な条件と、国家として絶対に避けるべき点を明言しています。

2019年を振り返る中で、改革の先送りはもう最後にしたい

12月の年の瀬に、様々なニュースが入ってきました。1つは大学入試改革の先送りであり、もう1つは日本郵政の経営陣交代です。どちらも日本社会の改革という観点からすれば重要な問題です。

まず、大学入試についてですが、結論から言えば「マークシート方式」によるセンター試験が当分の間続くということです。これによって以下のような問題が解決されることなく当面継続します。

まず日本の教育の改革は「必ず低学年から」スタートして「高校で腰砕け」というパターンが続きます。現在、文科省は「アクティブ・ラーニング」というスローガンで「主体的で深い学び」へと教育を変えようとしています。そのスローガン、そして方法論、そして教員の資質などを考えると決して見通しは楽観できません。

ですが、AIが作業レベルのタスクを請け負う社会がどんどん来る中では、日本が準先進国の経済を維持するためには「考える」タスクをこなせる人を育てなくてはダメで、待ったなしの改革であるわけです。

にもかかわらず「マークシート方式」が延長されるというのは、結局はその変化も先送りになるということですし、改革の掛け声は「小学校を実験台にする」だけで中高は「昔ながらのオフィス事務や工場労働者向け教育」が続くということになります。

そう申し上げている一方で、実は、そうした懸念はあんまり当たらないという見方もあります。というのは、現実の日本の大学は「どんどんセンター試験を使わなくなっている」からです。私立だけでなく、国公立も年々「推薦枠」や「帰国子女枠」「留学枠」を拡大しています。ということは、今回の「センター試験改革先送り」を嫌った大学を中心に、事実上は「マークシート試験で入る学生は少数派」になるかもしれません。

また、入試改革が進まないということは、大学の内容も大きく変化はしないということになります。そうすると、即戦力スキルという意味では競争力に遅れを取っている日本の大学は益々嫌われ留学先としては魅力が下がる一方で、日本から学部レベルでの優秀な学生の国外流出が加速するかもしれません。

いずれにしても何度も申し上げているのですが、政治的な力比べが避けられないのであれば「萩生田大臣のクビを差し出す代わりに」、「そして業者選定を非営利法人等に限ってやり直し」た上で、入試改革を断行すべきでした。

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