習近平「国賓訪日」に保守派からも猛反発。安倍首相を待つ茨の道

 

安倍晋三という人は、敵対者とみれば子供の喧嘩のように攻撃するが、支持してくれる人々や友達には異常なほどに気を遣う。

仏頂面を崩さない習近平氏と北京で握手したさい、国賓来日に反対する議員の顔が頭に浮かび、「俺だってやりたくないよ」と内心、叫びたかったかもしれない。

新聞の首相動静欄を見る限り、安倍首相は公邸や私邸での日常を離れ、ホテル「グランドハイアット東京」のスイートルームで、静かな年末年始を過ごしたようである。

家族や大学時代の友人らと食事を楽しみ、大好きなゴルフにたびたび出かけ、映画『決算!忠臣蔵』を昭恵夫人と鑑賞するゆとりを番記者たちに見せびらかした。

だが、その心のうちは穏やかだっただろうか。中国滞在中に、中国のカジノ企業からワイロを受け取った疑いで秋元司自民党衆院議員が東京地検特捜部に逮捕されたうえ、大みそかには、日産自動車前会長、カルロス・ゴーンに司法権、出入国管理を侵害される国外逃亡を許し、日本国のトップとしての面目を失った

おまけに、トランプ大統領の指示でイランの革命防衛隊司令官が殺害され、中東情勢は緊迫の度を増している

秋元議員らに対する強制捜査の着手については、行政機関の一つである検察、あるいは法務省から安倍首相に連絡があったはずで、あらかじめ覚悟していたことではあろう。

秋元議員がカジノ法を強行採決したさいの衆議院内閣委員長であり、国交省や内閣府の副大臣をつとめたことがあるとはいえ、世間的な知名度は低い。政権への影響は少ないと高をくくっていただろう。安倍首相と親しいジャーナリスト、田崎史郎氏も「秋元氏ならやりかねないという声を聞く」と、あくまで一個人の資質のせいであるかのごとくテレビで吹聴していた。

ところがその後、ほかに自民党4人、日本維新の会1人の国会議員が事情聴取を受けていたことがわかり、維新の下地幹郎氏は中国企業から100万円を受領し政治資金収支報告書に記載していないことを認めた。事件は意外な広がりを見せている

事情を聴かれたなかには、前防衛大臣、岩屋毅衆院議員が含まれている。岩屋氏はカジノとパチンコ換金の合法化をめざして発足したIR議連の幹事長でもあり、かりに岩屋氏が逮捕されるようなことがあると、成長戦略の一つにあげる安倍首相肝入りの政策そのものが、汚れた利権と不可分に発案されたと見ざるを得ない。

じわじわと、自民党内でさえ、ポスト安倍をにらんで微妙に風向きが変化しつつある。本心からアベノミクスが成果を上げていると思う議員など、立場上お世辞が求められる場合をのぞいて、誰もいないのではないか。

憲法改正を唱え続けながら、今のところ、時間切れで終わりそうな雲行きでもあるが、そうなるとさぞかし安倍応援団はがっかりすることだろう。右派知識人のなかにも、“安倍離れの兆候が見られる。

安倍政権は結局、何を成し遂げたのかわからない。スローガン先行の見せかけ政治にすぎないのに、「結果を出してきた」と強弁するのみだ。そればかりか、傲岸不遜な官邸政治をあまりに長く続けたために、いわゆる官邸官僚の堕落をはじめ、あらゆる部門でタガが外れかけている。

「桜を見る会」という恒例行事の参加者名簿や、招待状送付事務の詳細を頑なに隠そうとする官邸の姿勢は、モリ・カケ問題など未解決な情報遮断案件も相まって、この国の民主主義をすこぶる怪しいものにしてしまった。1月20日に開会されるであろう通常国会で、野党の追及が再び活発化するのは必至だ。

print

  • 習近平「国賓訪日」に保守派からも猛反発。安倍首相を待つ茨の道
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け