日本でほとんど報じられないボーイング737MAXの恐ろしい真実

2020.01.16
 

この問題は、昨年2019年10月の時点で、すでに報告されていました。737MAXの開発段階の2016年に、同機のチーフテクニカルパイロットだったマーク・フォークナー氏が同僚に送ったメールには、次のように書かれていたことが発覚したのです。

737MAXのフライトシミュレーターは失速防止システムが作動しまくっている。あまりにも酷い状況だが、私はFAAに嘘をついてしまった。

フォークナー氏によると、737MAXのために新規に設計された失速防止システム「MCAS」が、センサーの誤情報に基づいて作動してしまい、飛行中に機体が急降下して、パイロットによる操縦ができなくなるという問題が連発していたそうです。しかし、ボーイング社は、この問題を隠蔽し、納期ありきで安全性に問題があるまま欠陥機を売りさばいたのです。

この隠蔽された誤作動って、二度の墜落事故の状況と酷似していると思いませんか?2018年と2019年に起こった墜落事故は、どちらも離陸直後に機体が不自然に急降下して発生しているのです。もしもボーイング社が、問題点を隠蔽せず、きちんと追加のフライトシミュレーションを導入し、安全性を確認していたら、こんな事故など起こらなかったのではないでしょうか?

百歩ゆずって、徹底的に安全確認を重ねた上で運用した新型機で事故が起こり、後から欠陥が発覚したのなら仕方ありません。しかし、今回のケースは、何年も前の開発段階から欠陥が指摘されており、内情を知るボーイング社の社員が事故の7カ月も前に「自分の家族を乗せたいか?私は絶対に嫌だね」と同僚にメールしていたのです。そして、今回、こうした社内メールが公表されたことによって、昨年10月に公表されたマーク・フォークナー氏のメールの内容も裏付けられたのです。

今回のボーイング社の「金儲けありき」の隠蔽問題で、あたしは、昨年4月の自衛隊のF-35の墜落事故を思い出しました。2019年4月17日に配信した『きっこのメルマガ』第19号の「安倍晋三が大人買いした欠陥戦闘機 F-35」に詳しく書きましたが、安倍晋三首相がトランプに命令されて定価の2倍以上の言い値で100機以上も買わされたロッキード・マーチン社の新型戦闘機F-35も同様で、開発段階でフライトシミュレーションを行なった複数のパイロットが「F-35には二重の致命的な欠陥がある」と断定した上で「F-35は、曲がれず、上昇できず、思ったように動かすことができない」と指摘していたのです。

しかし、これまでの開発に莫大な予算を投じているロッキード・マーチン社としては、ボーイング社と同様に、これ以上は予算も時間も使えないため、欠陥が分かっているまま売りさばいたのです。ちなみに、昨年4月に青森県沖に墜落して航空自衛隊のベテランパイロットが犠牲になったF-35は、日本に配備されるまでに950回以上もコンピューター上の不具合が発生していたことが後から分かりました。それなのに、安倍政権は「事故はパイロットの人的問題で、機体には何も問題はなかった」と言って、大量購入、大量配備の見直しをしませんでした。

F-35と同様に、アメリカのベル・ヘリコプター社とボーイング・ロータークラフト・システムズ社が共同開発したオスプレイも、開発段階から構造上の欠陥が指摘されており、実際に墜落事故が多発したため、アメリカでは住宅の上空は飛行禁止になりました。しかし、開発に莫大な予算を費やしたため、少しでも売りさばかないと元が取れないので、日本が定価の2倍以上の言い値で買わされました。そして、今、あたしたち日本人が住んでいる住宅や、子どもたちが通っている学校の上空を飛んでいるのです。

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