客層に合った提供
そして、ここから分かることは、お客様がそれぞれのお店で求めるものは同じではない、ということです。また、お客様の環境や好みや気分によっても売れるものは違ってきます。だからと言って、すべてのお客様に満足していただける商品を揃えることは出来ません。
今回のA店の場合、調査によってお店の客層が見えてきました。ですから、A店はA店の客層を大切にすることです。A店と違った客層に向けた商品を販売しても、大きな成果にはつながらないでしょう。
そして、商品の価格だけではありません。客層にあったサービスを提供することも大切です。それが、他店との違いを生むことにも、売上を増やすことにもつながります。
例えばどんなサービスでしょう。以前にも言ったことがありますが、お店のショッピングバッグやパッケージは大切です。高価格帯の商品を好むお客様が多いお店ならば、それなりのデザインのショッピングバックにしましょう。
また、独自にデザインした商品パッケージに入れてお渡しすればお客様の満足度は上がるかもしれません。ネット販売での配送用段ボールも同じです。決して包装資材ショップで安く売られているもので代用してはいけません。多少費用は掛かりますが、それが高価格帯のお客様へのサービスではないでしょうか。
さらに言えば、パッケージの中には「店主からの感謝の言葉」はもちろん、「お店が目指しているところ」や「お店の思いやこだわり」を書いたリーフレットを入れておくと良いです。きっとお客様は満足されると思います。
実は、高い商品を買ったお客様は、買ったことに後悔をしたくないものです。買ったことが正しいことだという「理由」を欲しがりますし、探します。おしゃれなパッケージやリーフレットは、その「理由」の一つになるのです。
いかがでしょうか。今回の話からいえるのは、A店が行うことは、客層にあった商品を増やすことと、それに伴ったサービスを考えることではないでしょうか。そのことが、適切なお客様を増やすことにつながり、売上と利益の向上に役立つことでしょう。決して、他店の価格戦略に惑わされないようにしましょう。
■今日のツボ■
- 同じような商品でも、高く売れるお店がある
- お店の客層を正しくとらえて、それに合った戦略を打つ
- 価格戦略だけでなく、サービス戦略も必要である
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