買ったことを後悔させない。高いモノを購入するお客様にすべき事

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自社の売上が落ちつつあるのは、競合他社が台頭したため…。こんなふうに考えがちな経営者は多いものですが、専門家はどう見るのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、とあるショップ店主から受けたそんな相談を紹介しつつ、「客層の把握」の重要性を説いています。

高価格でも買うお客様

同じような商品でもお店によって販売価格が違う、というのはよくあることです。例えば、ユニクロではTシャツが1,000円で売られています。一方、おしゃれなアパレルショップでは5,000円以上のTシャツも多いです。どちらもよく売れています。

また最近、高級食パンの店が増えていますが、スーパーで100円ちょっとの食パンが高級食パン店では5倍近い価格です。これもよく売れています。どうしてそんなことが起こるのでしょう。

スポーツショップでも、そうしたことは起こります。先日、あるスポーツショップ(A店)と話をした時の事です。A店でよく売れている有名ブランドの商品があります。価格は1万円。ところが、最近その商品が以前ほどは売れなくなってきたとのこと。話を聞いてみると、どうも他のお店でも同じような商品を売り始めたようです。しかも、A店より安く。店主は、そのことが影響しているかもしれないと言います。

そこでA店は、競合店B店とC店のネットでの販売状況を調べてみました。ネットは、こうしたことも調べられるので便利ですね。すると、1か月の販売状況はおよそ次のようになりました。

  • A店 売価10,000円 販売数 50
  • B店 売価5,000円 販売数 100
  • C店 売価3,000円 販売数 150

もっとも、この3店で売られている商品は「同じような」商品であって、「全く同じ商品ではありません。それぞれ別のブランドの商品です。しかし、A店の店主は売上が下がってきたのはB店、C店の販売価格のせいではないかと考えました。そして、自分のお店でも5,000円や3,000円で売れる商品を増やしてみてはどうかと考えたのです。

あなたなら、この問題をどう考えますか。

調査から分かること

さきほど調べたA店、B店、C店の販売結果を見ると、それぞれ販売数が違うことが分かります。B店、C店の販売数は、それぞれA店の2倍、3倍です。A店から見れば、B店、C店の方がよく売れているように見えます。

しかし、それは錯覚です。各お店の対象商品の売上金額を計算してみてください。A店は50万円、B店も50万円、C店は45万円です。3店とも売上に大きな違いはありません。それどころか、一番売れていると思っていたC店の売上が一番低いのです。

もちろん、今回の調査結果はたまたまだったかもしれません。もしかしたら、B店、C店の販売数がA店よりはるかに多い月もあるでしょう。しかし、だからといってA店はB店、C店にお客を奪われたと思わないことです。

この場合、3店のお客様の層がそれぞれ違っていることに気が付かなければいけません。つまり、3店は同じような商品を売ってはいますが、A店のお客様の中心は1万円で買いたいお客様です。B店のお客様は5,000円で買いたいお客様。C店のお客様は3,000円で買いたいお客様といえます。

言ってみれば、A店は高価格帯、B店は中価格帯、C店は低価格帯の商品を好むお客様のお店なのです。この点をしっかりと抑えなくてはいけません。ユニクロとおしゃれなアパレルショップとでTシャツの価格が違ってもそれぞれが売れるのはそういうことです。

ですから、A店について言えば、このお店は高価格帯の商品を好むお客様を対象にした戦略を打つことです。B店やC店に勝とうと思って、5,000円や3,000円の商品を仕入れて売ったとしても、きっとB店やC店のようには売れません。お客様の層が違うのですから。

決して他店の価格戦略に気を取られてはいけない、ということでしょう。

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