尖閣諸島を「安保条約の適用範囲」と米に言わせて喜ぶ日本の怠慢

 

もうひとつ、勝手に「米軍が矛(ほこ)で自衛隊が盾(たて)」と言うのはやめましょう。これを聞いたアメリカの軍人が怒っています。「日本は俺たちだけに危ない仕事をやらせるつもりなのか!」と。

さらに言えば、他国を攻撃する嫌な仕事は米軍にやってもらおう、という発想が見え見えでもあります。

自分たちは手を汚したくない。

一方、日米安保条約は日本を軍事大国として再台頭させないための「瓶のふた」だという言われ方をすることがあります。

自衛隊が補完的役割に終始している限りはこの見方も一理あります。

ではどうするのか?

米国の力は相対的には弱まっています。中国の覇権主義に脅かされる日本は、チベット、ウィグル、香港のようになりたくなければ、日米安保条約に象徴される日米同盟を強化し、なおかつ、自主防衛努力をして相対的な自立度を高めていくべきです。

今回の共同宣言はよかった。

しかし、この機会によく考えて発想を変えていかなければ、日本はいつまでたっても「瓶の中の船」であり続けるしかないでしょう。

(山岡鉄秀:Twitter:https://twitter.com/jcn92977110

image by: 首相官邸

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