【パリ連続テロ】参加者370万人超!歴史的抗議へ人々が集まった本当の理由

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シャルリー・エブド襲撃事件について

『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』 Vol.122(2015年1月12日号)

これもブログ上で取り上げるかどうか迷って、結局、まだ保留している話題だが、風刺画で有名なフランスの週刊新聞

「シャルリー・エブド」(Charlie Hebdo)

の本社が、イスラム教の過激派にテロ攻撃され、同紙の編集長で漫画家のステファヌ・シャルボニエ氏と、「カビュー」の愛称で知られる漫画家ジャン・カビュ氏ら12人もの関係者が殺害された。

これを受けて、フランス国内はもちろんヨーロッパ全域、そしてアメリカでも、

「言論の自由を守れ」

という声が急速に拡散。

直後から、パリでは、犠牲者を悼むための大規模な集会が開催され、ものすごい数の人々が集まって、

「言論の自由を守ろう」

と訴えるパリの写真が世界中を駆け巡った。

ヨーロッパ中の主要メディアが一面でこれを報じ、言論の自由を訴え、テロとの戦いを宣言。

また、ハッカー集団「アノニマス」(Anonymous)のベルギー支部は、そのYouTubeアカウント上にて、

「イスラム過激派組織のウェブサイトを壊滅させる」

という宣戦布告のビデオを公開。さっそく殲滅活動を進めている。

〔ご参考〕
‘Hacktivist’ group Anonymous says it will avenge Charlie Hebdo attacks by shutting down jihadist websites

‘Anonymous’ Hackers Declare Their First Victory In Operation Charlie Hebdo

また、11日には、犠牲者を悼むためフランス各地で大行進が行われ、仏内務省の発表によると、フランス全国の参加者は、少なくとも合計370万人に達したという。

これは、第2次世界大戦中、4年にわたったナチス・ドイツの占領が終了し、全国で多くの国民が集会などを開いて自由を祝った1944年の「パリ解放」時を超える
「前例のない規模」だと仏メディアは大々的に報じている。

さらに、パリで行われた大行進には、キャメロン英首相やドイツのメルケル首相ら欧州主要国を中心とする、なんと40人超!!!の各国首脳も参加したとのこと。

〔ご参考〕
仏大行進、参加者は370万人超=「パリ解放」超え史上最高

そのほか、フランス在住の日本人から、

「印象としてはフランスにおける9.11と言ってもいいくらい、フランス人たちは相当なショックを受けている。」

といった現地レポートも・・・。

〔ご参考〕
フランスの新聞社 シャルリー・エブド襲撃事件について

とにかく、今、フランスを中心にとんでもない騒ぎが巻き起こりつつある。

ところが、日本では、このテロ事件に対する受け止め方は、大分異なっているようだ。

上述のフランス在住の日本人の方も、

「けれども日本ではどうも受け止め方が異なるように思う。」

と書いているが、どうやら、「言論の自由」に対する考え方や、さらにはもっと根本的な文化の違いによる影響なのか、欧米メディアが、このテロ事件の重大性をどんな論調で報じているか取り上げてる日本のマスコミは、ほとんどない気がする。

それどころか、

「シャルリー・エブド」の「表現」は、ほんとうに「守れ!」と叫ぶべき「言論」だったのかという疑問・・・

とか、

「表現の自由」に名を借りた“暴力”

などと、平気で書いてる日本人もいるくらいだ。

〔ご参考〕
「表現の自由」に名を借りた“暴力”(フランス「シャルリー・エブド」襲撃事件)

この記事を書いてる日本人は、「シャルリー・エブド」が風刺してきたのは、イスラム教だけじゃないということをまったく知らないらしい。

一番肝心の情報を無知のまま、記事中、

『例えばイラク戦争やアフガニスタン戦争の諷刺としてイエス・キリストを殺人者に例える諷刺画が作られたとしたら(実際、イエスが殺人者なのではない)、あるいはイエスが全裸で尻を突きだしている絵が描かれたとしたら、はたまた「聖書は糞」などと呼ばれたとしたら、キリスト教徒はそれを「表現の自由」だといって擁護できるのだろうか?』

とか書いてるが、その通り、日本人からするとやり過ぎじゃないの?とか、ここまでする?という印象を受ける内容でも、これまで「表現の自由」をちゃんと擁護されてきたのである。

いや、それどころか、その後の反響や、上述のフランス在住の日本人の方の記事によれば、

『シャルリー・エブドの風刺は、何もイスラム教だけに限ったことではなく、イスラム教、というよりもイスラム原理主義など、行き過ぎてしまったものに対する風刺を中心としていたようだ。

イスラムだけでなく、キリスト教に対しても風刺があり、NHKの生前のインタヴューでは「マルクスを批評するのと同じように、宗教家だって批評されてもいいではないか」とシャルリー氏は語っていた。』

とのことで、さらに「表現の自由」を擁護されてきただけでなく、

『フランスでは相当愛されてきたようだ』

とまで指摘されている。

そうでもなけりゃ、「パリ解放」時を超える史上最大の行進が起こるわけないだろうし、欧州主要国から40人超の各国首脳がそこに参加することもないだろう。

いかに、

「シャルリー・エブド」の「表現」は、ほんとうに「守れ!」と叫ぶべき「言論」だったのかという疑問・・・

とか、

「表現の自由」に名を借りた“暴力”

などと平気で言い出す感覚が世界の常識からズレているのかがよくお分かり頂けるだろう。

もう1つ、決定的な情報を付け加えると、「シャルリー・エブド」で風刺され続けてきた当事者であるイスラム教徒自身が、

『我々イスラム教徒は「シャルリー・エブド」を支持する』

とあちこちで表明しているのだ。

〔ご参考〕
我々イスラム教徒は「シャルリー・エブド」を支持する

もし、こうしたヨーロッパ各国で広がる人々の声や、それ以前に「シャルリー・エブド」に関する正しい知識があったのなら、

「表現の自由」に名を借りた“暴力”

なんて記事は、ちょっとなかなか書けない気がする。

ぜんぜん海外の情報や、正しい知識がない人には、それでも通用するのだろうけど、ある程度分かってる人が読めば、この記事を書いた人が、海外の情報に疎いとか、基本的な知識がないとか、分析力がないとか、そもそも頭が悪そうとか、…そういうことが、すぐにバレちゃうと思う。

しかも、この方、中東専門雑誌記者を経て、現在フリージャーナリスト、つまり、自分が中東の専門家だって言ってて、大恥さらしてる気が・・・。

それこそ、イスラム教徒自身が、

『我々イスラム教徒は「シャルリー・エブド」を支持する』

って言ってるのも分かってなきゃいけない肩書きを掲げているのに、自分で何も気づかないのだろうか?

でも、まぁ、これも、当然「表現の自由」ってことで、別に、自由に書いて良いって言えばそうなのだけど。

ただ、日本国内の受けとめ方が、世界の常識とあまりにずれるようだと、後々、「言論の自由」とか「表現の自由」などの出来事で、何かの文化的な衝突とかトラブルにつながらなきゃいいな・・・とちょっと心配。

 

『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』 Vol.122(2015年1月12日号)
著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。
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