新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、ほとんどの学校が休校になってしまい、おいそれと出かけることもできない状態で迎える令和初のひな祭り。女の子がいる家なら、ゆっくり桃の節句を祝うのもいいかもしれません。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の柳川由紀さんは、以前から年中行事について親子で一緒に学び、楽しむことを推奨していて、今回は、桃の節句の由来とひな祭りで食べたり飲んだりするものの意味を教えてくれました。
親子で楽しむ桃の節句
1.由来
中国の陰陽道から始まった節句。陰陽道では、奇数を陽の数として、同じ陽数が重なる日を恐れていました。そのため、1/1、3/3、5/5、7/7、9/9は身を清め、お供えをして邪気払いを行ったのです。これが年中行事となりました。
その後、江戸時代になると嫁入り道具としてひな遊びの人形が武家社会に持ち込まれるようになり、それ以降、上巳の節句(3/3)として、端午の節句(5/5)に対し「女の子のお祭り」と意識されるようになりました。
2.いつからいつまで飾る?
ひな人形には、娘の厄を引き受ける役目があるとされ、災いが娘に降りかからずに美しく成長して幸せな人生を送れるように、という願いが込められています。
「一夜飾り」は縁起がよくないと言われます。お正月の七草が過ぎたら飾って良いそうですが、二十四節気の「雨水」(草木が芽生える頃で、昔から農耕の準備を始める目安とされた時期)の頃を目処に飾ると余裕もあって良いでしょう。また、3月中旬の天気の良い湿気の少ない日に片付けましょう。
3.何を食べて祝う?
ハマグリのお吸い物、菱餅、ひなあられ、白酒、ちらし寿司を食べる風習があります。
ハマグリを食べる理由は、「一生添い遂げる仲の良い夫婦になるように」。なぜならハマグリの貝殻は、対でなければぴったりと合うことはないという理由からだそう。
菱餅は、植物の「菱」にちなんでいます。水面に広がって繁茂するため、成長や繁栄のシンボルとして古くから親しまれているのです。ヨモギの緑、菱の実の白、クチナシの赤いお餅を重ねて、厄除け、清浄、疫病除けの効果で健康と成長を願います。
ひなあられは、関東は米粒を炙った物が原型、関西は餅を砕いて揚げたもので、倹約の心を洗わしています。
白酒は、桃の花びらを浮かべた「桃花酒」で百歳(ももとせ)を願いましたが、江戸時代に白酒ができて以来、定着しています。
ちらし寿司は、長寿祈願の海老、見通しの良い人生を願うレンコン、健康勤勉を願う豆といった縁起の良い山海の幸を彩りよく散らします。
家庭教育アドバイス…「子どもと学ぶ」
ひな人形を飾りながら、この日ならではの食べ物を頂きつつ、節句の意味や由来を伝えましょう。一つ一つ意味があることがわかると、知的好奇心が刺激され、興味を持つかも知れません。
日本の伝統行事を知る良い機会です。是非、お子さまと一緒に家族で桃の節句をお祝いしましょう。
image by: shutterstock