ところで、日曜日の利下げを受けてネガティブなムードで覆われていた株式市場は、16日に月曜は開始と同時に一気に下落して「サーキットブレーカー」が稼働して取引停止となりましたが、15分の停止を過ぎて再開後も一向に状況は好転しませんでした。
そんな中で、大統領は13日の金曜日に続いて、再び3時半という株式市場の開いている時間帯に会見を行いましたが、今回は全く手のつけられないという状態で、会見を通じて株価は下がり続けて結局ダウは2,997ドル(12.93%の下げ)、つまりほぼ3,000ドルの下落となっています。
今回は、大統領はとにかく「正直ベース」ということで、時間を取って記者たちとの質疑応答を真面目にやっていました。また不規則発言もなかったし、必要に応じて専門家に答えさせるなど、会見としては悪くなかったと思います。
ですが、内容はやはり非常に暗いものでした。具体的な外出禁止措置を全米一斉にというのは、現段階ではやらないとしながらも、
「以降は、全米で10名以上の集会は自粛」
「部分的にはリセッション(景気後退)が始まっている」
そして決定的だったのは、
「この状態は最悪7月から8月まで続く可能性がある」
という発言でした。この人としては非常に真面目に質問に答えていたのですが、とにかく本人は誠実に踏み込んで最悪の場合を語ったつもりなのでしょうが、市場は受け止められなかったとしか言いようがありません。
これが本稿の時点でのアメリカの現況です。
今後の見通しですが、大統領は、
「イタリアのようにはしない」
「韓国や中国のように穏やかな改善を早く実現する」
という見通しを持っているようで、専門家たちの言い方もそのようでした。
とりあえず、株価の暴落、集会禁止、外出禁止令とアメリカは「フル・パニックモード」という状況です。
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