新型コロナ対応で大炎上。孫正義氏がマスク配布より先にすべき事

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先日掲載の「孫正義氏『新型コロナ検査100万人分提供』発案も2時間で撤回」でもお伝えしたとおり、ツイッターで簡易PCR検査の無償提供を申し出るも批判が殺到するや、支援を「マスク配布」に切り替えたソフトバンクの孫正義社長。機を見るに敏だった孫社長はなぜ今回、新型コロナへの対応を見誤ってしまったのでしょうか。ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』でその原因を探るとともに、「今こそソフトバンクにしかできない貢献をすべし」として、具体的内容を記しています。

ソフトバンク孫社長が3年ぶりにTwitterに降臨して大炎上――マスク配布よりソフトバンクにしかできない貢献があるのではないか

ソフトバンクグループの孫正義社長が3年ぶりにTwitterに降臨。「行動を開始します」「新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備」とつぶやいて即、大炎上した。


その後、わずか2時間で「検査したくても検査してもらえない人が多数いると聞いて発案したけど、評判悪いから、やめようかなぁ。。。」と弱気になったと思ったら、翌日には100万人にマスクを配ると提案。これにネット民も納得したようであった。


この3年間の孫社長を振り返ると、Twitterから離れたことで、世間とズレが生じたように思う。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資案件を見ても、「WeWorkをAIカンパニーだ」と言い始めるなど、理解に苦しむ言動が増えてきた。

孫社長の周りにはイエスマンしかいないのだろうし、孫社長を戒めていたはずのユニクロの柳井さんとか日本電産の永守さんも役員からいなくなってしまっただけに、すっかり周りが見えなくなってしまったように感じる。孫社長がこれ以上、世間の感覚からズレないように、ぜひともTwitterに本格復帰したほうがいいのではないか。

このままでは、未来永劫「空気の読めない孫社長」のレッテルを貼られることになるだろう。

今回、マスクを100万枚配ると宣言したが、海外の工場に直接発注したということだ。これでは単に孫社長を経由するという、流通ルートが変わっただけのようにも思う。

根本的にマスクが不足しているのだから、孫社長が出資して、マスク工場を新設するとか、工場に新しいラインを作らせるとか、新しくマスクを製造するところまで踏み込まなくては意味がないのではないか。

そもそも、孫社長が簡易PCR検査やマスクを配るなんて門外漢のことをするよりも、通信会社のソフトバンクとしてもっとこの状況を改善する提案ができるのではないか。

テレワークが増える中、多くの人がZoomなどのオンライン会議サービスを使う機会が増えてきた。ソフトバンクの「メリハリプラン」は動画・SNSが使い放題であるが、ぜひともZoomやマイクロソフト「Teams」、グーグル「Hangouts Meet」などの利用でもデータ容量を消費しないというキャンペーンを提供してくれれば、多くの人に歓迎されるのではないか。

子供が家にいるのが当たり前になるなか、子供向け動画コンテンツの視聴も、カウントフリーにしてくれれば、子供がいる家庭にとっては大助かりだ。

マスク配布も結構だが、コロナ騒動で、多くの国民が疲弊するなか「日本で携帯電話事業を展開する数少ない通信会社が国民に貢献できること」を考えてもらいたいものだ。

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