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総務省が900MHz帯の利用に対する調査を実施――楽天モバイルにプラチナバンドかと思いきや、まさかの障壁

3月13日、総務省から「900MHz帯を使用する新たな無線利用に係る調査の結果と今後の予定」という報道資料が配布された。

デジタルMCAシステムの高度MCAシステムへの段階的な移行を想定するなかで、対象周波数帯(845~860MHz及び928~940MHz)における新たな無線利用に関する調査を実施したのだという。

新たな無線利用に関する提案は8件あり、なかには楽天モバイルによる「FDD方式による携帯無線通信での利用に係る提案」というものがあった。

「これによって、楽天モバイルにもプラチナバンドが手に入るのか。これは喜ばしい」と思っていたのもつかの間、別の資料には「携帯無線通信システムでの利用については、検討対象周波数が3GPP(携帯電話の民間の国際標準規格の策定等を行うプロジェクト)で標準化されておらず、既存の基地局設備や携帯電話端末が対応していないなど、導入に向けた見通しが定かでないことから、調査検討を行う前に、提案者において当該標準化の見通しを明らかにすることが必要と考えられる」と注意書きがあったのだ。

まさか、3GPPで標準化されていない周波数だったとは何とも残念な限り。これでは楽天モバイルのプラチナバンド取得の夢が絶たれてしまう。

ただ、総務省も本気で楽天モバイルを第4のキャリアとして、既存3社に対抗できるだけの勢力にしたいのであれば、やはりプラチナバンドの割当は避けて通れないのではないか。

3GPPで標準化されていない周波数なのであれば、楽天モバイルとともに3GPPに対して標準化を働きかければいいのではないか。周波数の幅も狭く、使い勝手はかなり悪そうだが、それくらいの努力をして、楽天モバイルにプラチナバンドを割り当てないことには、早晩、エリア展開でギブアップしかねない。

このタイミングを逃してしまったら、今後、この周波数帯での割当再編をするのはかなり困難なのではないか。

楽天モバイルも新規参入として経験はほとんどないだろうが、3GPPに働きかけ標準化させ、基地局や端末も対応してもらう準備を進めるべきだ。

楽天モバイルは2026年3月31日までKDDIからローミング提供を受ける契約となっている。楽天モバイルとしてはこの計画を前倒して、早期にローミング契約を終了させるつもりのようだが、現実はそんなに甘くない。ただ、プラチナバンドがあれば、エリア展開は一気に楽になるはずだ。今すぐには難しいかもしれないが、この先、6年というスパンで、プラチナバンドの取得を視野に動き出すべきだ。

image by: glen photo / Shutterstock.com

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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