韓国の意識が変わった。新型コロナ感染者数を抑え込む隣国の現実

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一時は爆発的な新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われたものの、現在は心配された医療崩壊を起こすこともなく、感染者数増加のペースも徐々に落ちつつあるとされる韓国。いったい何が奏功したのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年目を超える日本人著者が、現地で取られている新型コロナ対策や人々の生活の様子を紹介しています。

コロナが韓国の位相を高める?

新型コロナの勢いがまだまだ凄まじい。韓国は3月29日午前零時基準で、感染者9,583人、死亡152人、退院(完治)5,033人となっている。死亡152人というのはかなりの人数ではあるが、イタリアやアメリカそして中国に比べたら非常に少ないといえる。

筆者の住む天安(チョナン)という都市は、ソウルから南に80キロくらいのところにある70万人弱が住む交通の要衝都市だが、一時、ダンススタジオが温床となって感染者が増えた時期もあったが、現在まで感染者102人、死亡0と、韓国の中堅以上の都市の中ではかなり少ないほうといえる。しかし外出している人は、皆マスク着用だ。外出禁止令は出ていないから、人々は自由に外出している。散歩する人もいるし、犬を連れて遊ばせている人などもいる。外出の人はだんだん増えてきてはいるが、店にはいって食事をしたり喫茶店で友達と駄弁るというような形は、今はほとんど見られない。

感染者が直接出てない地区であっても(たとえば天安の中でも筆者の地区)、無症状でありながら保菌者がいつどこにいるかわからないため、みんな用心して、口を開いてものを食べたりしゃべったりするような場所に行かないようにしているためだ。だから、食堂やカフェなどは経営の危機を迎えている。国からの補助金が出るようになっているけれど、高々5万円くらい(これは自治体によって異なる)なので、これではとうていやっていけそうもない。小売業の人たちはこれからも危機的状況は継続する。

マスクは、5部制といって、生まれた年によって月から金曜日までに分けられ、筆者の場合は最後の数字が4なので、木曜日に薬局に買いに行けば外国人登録証を提示してマスクが2個買える。2個で3,000ウォンだ。(300円くらい)。外国人登録証を提示しないとマスクは買えない。これでチェックされ別の店に行っても買えないことになる。ネット上の連携がものすごく整っているなと感じる。

外国人でも問題なく買える点、非常に安心だ。1週間に1人2個のマスクが買えれば、この状況が長く続いたとしてもマスク確保に問題はない。筆者の場合は、PM2.5対策としてコロナ禍になる前にすでにマスクを50個以上買っておいたので、マスク問題は生じないだろうと思われる。50個以上あるのに、なんでわざわざ買いに行くのかというムキもあるかもしれないが、コロナ禍がいつまで続くかわからないため、念のために薬局に買いにいくわけだ。妻と合わせると1週間に4つのマスクが確保される。たぶん、今後、韓国ではマスクの供給は今よりも増えるものと予想されている。1人2個から1人3個とか5個とかになるはずだし、さらに好転すれば何個でも買えるというふうに変わっていくものと予想されている。

マスクがコロナには効果はない、などというコメントがネットで一時流れていたが、それは違うと思う。ナノのレベルだとは思うけど、マスクを隙間なくぴしっとやっていれば、コロナウイルスが飛んでいても、体の中に入るのは抑えることができると思う。

韓国も、もともとマスクをしたがらない性向をもっていたのだが、今や日本人以上にマスクをしているといっても過言ではない。今回のコロナの前、筆者がPM2.5がちょっと多いときは必ずマスクをして家を出るのだが、PM2.5の数値が相当悪くてもマスクをしている人はほとんど見かけなかった。しかし今はどうだ。100%の人がマスクをしている。この変わりようは驚くばかりだ。それだけコロナの威力が強いからとも言えるわけだけれど。

また、消毒液が20階建てのアパート(日本式にはマンション)の1階の入り口に置かれている。液がなくなるころ、必ず新しいものと交換されている。その徹底ぶりは驚嘆に値する。韓国ってこんなにてきぱきとなんでもできるお国柄だった??と思わず立ち止まって沈思黙考に浸ってしまうほどだ。

またあるデータでは、今年の2月の新規の企業登録が過去の2月に比べて最高に多かったという。マスク業者の企業立ち上げなのか、IT企業なのか、ちょっと種類は今わからないけど、今年の2月が過去最高だったようだ。

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