バイト先はクラスター病院。コロナ疑いでPCR検査前に書いた遺書

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依然として収束の兆しの見えない、新型コロナウイルスの流行拡大。もはや誰にでも罹患の可能性があるこの感染症ですが、PCR検査までの流れやその現場はどのようなものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では、執筆者のひとりでフリーライター・漫画原作者の富田和彦さんが、新型コロナウイルスの感染を疑われPCR検査を受けたご自身の「貴重な体験」を綴っています。

アルバイター危機一髪──コロナ死を覚悟した日

「他人事」「対岸の火事」と、どこか甘く見ていた「新型コロナウイルス」が、最近、一気に身近になるどころか、急速に我が身に迫っている恐怖を感じる。

クルーズ船「ダイアモンド・プリンセス号」搭乗者・乗組員を除いても、国内の感染者数は1万2,000人を超え、私の住む□□県だけでも数百人を優に超えている。さらに、死亡者は全国で300人を超え、その中には志村けんさん、岡江久美子さんなどの著名人も含まれる(4/24現在)。

テレビをつければ、朝から晩まで、さらに深夜まで、このコロナウイルス関連のニュースばかりの現状に、「コロナうつ」「コロナ疲れ」「コロナストレス」なる、悪い意味での流行語大賞になりそうな言葉まで誕生している。

ネットではデマが飛び交い、それに踊らされた国民が、必死の形相でトイレットペーパーをはじめとする紙製品買い占めに大行列を作り、スーパーやドラッグストアの棚が空っぽになった。

「中国からの紙製品輸入が止まり、品不足になる」とのことらしいが、よくも言ったもので、トイレットペーパーなどほぼすべてが国産品であり、今回のウイルスを撒き散らした中国には依存していない。

そもそも、史上最悪のウイルスを広めた上、今や発生源の武漢を封鎖解除し、「アメリカ、日本、感染拡大おめでとう!」なる、どうしようもない横断幕を掲げてお祭り騒ぎ(この横断幕は、さすがに撤去済み)のテロ国家とも言うべき中国の製品(と、思い込んでいる)を買うために、被害者国の国民が「3密」行列を作るなど、どうかしている。

さらに、小池百合子・東京都知事が「ロックダウン=都市封鎖」の言葉を出した途端に、異常な買い占め騒動まで起きた。私の長き親友「チキンラーメン」がどこにもない!本来、世界一、賢く礼儀正しく、ルールを守る美しき日本人がこれでは、世界各国では一体どんな状態なのか、想像するだけで寒気を覚えるというものだ。

今回のコロナ騒動で、多くの方が職を失い、家を手離し、長年続けた愛する店を廃業している。犯罪に手を染める人間もいれば(コロナ詐欺が、特殊詐欺を超えつつある)、家庭内DVに走る悲しいヤツもいる。自粛要請でバイトが出来ず、親の収入も激減したため、せっかく苦労して入学した大学を退学せざるを得ない学生も多数いる。残念ながら自殺者も出ているのが現実だ。

さらには、医療従事者およびその家族への誹謗中傷が各地で起こり、日夜、危険な最前線で命懸けの治療を続ける関係者たちをさらに追い込んでいる現状には、言葉が出ない。日本人は緊急事態になると、中国人レベルの頭脳に落ちるのか。

「SARS」「MERS」と言えば、その響きだけで恐ろしいが、「コロナ」などビールみたいで可愛く感じて、全然怖くないと思ったら大間違いだ。

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