新型コロナ情報戦で国民の66%を「嫌中」にしたトランプの大勝利

 

それで、大統領選の争点も、【中国との関係】が最重要になってきています。

トランプ陣営はすでに、初期段階でウイルスを隠蔽(いんぺい)していたとされる中国とバイデン氏を結び付けようとする広告を打っており、大統領選がいかにネガティブなものになるかという明白な兆候を示している。このインターネット広告では、中国の指導者らとの外交に臨む前副大統領のバイデン氏の映像が流れ、同氏が「中国の機嫌を損ねないようにした」とする文言が流れる。また根拠なく、バイデン氏は問題が多い息子のハンター(Hunter Biden)氏による事業の利害関係者に買収されていたと示唆している。
(同上)

トランプは、「バイデンは媚中派なんだぜ」と示すことで彼の人気を下げようとしている。反中感情が高まっているので、こういう作戦が「有効だ」ということですね。一方、バイデンさんは。

バイデン氏も自身の広告で反撃。中国のパンデミック対応を当初は賞賛していたトランプ氏自身の発言を引用し、トランプ氏は米国を「準備不足で無防備」な状態に置いたと批判した。
(同上)

ま、バイデンの主張にも一理あります。なんといっても、アメリカは、感染者数世界一なのですから(100万人を突破した)。ですが、日本と違いアメリカは、2月初め時点で中国全土からの入国制限を実施していました(日本が中国全土からの入国制限を実施したのは3月9日から)。そのことを知っている人は、トランプに同情的です。

今回の大統領選挙。73歳のトランプさん、77歳のバイデンさん。「おじいちゃん対決」ですね。トランプさんは、いろいろ問題が多い。しかし、バイデンさんは、基本親中反日なので、トランプさんの方がマシでしょう(バイデンさんが、安倍総理の靖国参拝に激怒したことは、良く知られた事実です)。

image by: Evan El-Amin / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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