緊急事態宣言下に「不急」の憲法議論を画策。政府自民党の非常識

 

米国経済の減速

【読売】は1面から2面に掛けての記事で、米国経済について書いている。2面はGDPの中身の分析。見出しから。

(2面)
米個人消費 落ち込み鮮明
GDPマイナス
3月小売り 過去最大8.7%減

まずは【セブンNEWS】第3項目を再掲。

米商務省発表の2020年1~3月期実質国内総生産の速報値は、年率換算で前期比4.8%減となった。6年ぶりのマイナスで、リーマンショック時の08年10~12月期以来、11年ぶりの下げ幅。米国経済の収縮は貿易などを介して世界不況を増幅する可能性。

全体として年率換算4.8%のマイナスというのも大きいが、個人消費の部分が8.7%減というのは衝撃的な数字で、小売りや外食、宿泊のサービスを新型コロナウイルスが直撃、売上減少の結果、従業員を解雇するところが増えている。発表になったデータは3月までのもので、次の4~6月期についてはさらに悪くなる予測が多いという。調査会社ファクトセットによれば、主要500社の1~3月期決算は利益が前年同期比で15%以上減少したが、4~6月期の減少幅は30%に及ぶだろうという。

●uttiiの眼

再選を目指すトランプ米大統領としては、4~6月期30%減というのは耐えられない数字なのだろう。感染が再び激しくなる可能性があっても、経済活動を再開させなければ、11月の選挙は覚束ないと考えているのだろう。しかし、経済動向が芳しくなければ、またまたネガティブキャンペーンに頼ることになるのかもしれない。既に、バイデン氏のセクハラ関係の新しいスキャンダルが出てきているようだ。

自民党は「火事場泥棒的」

【毎日】は5面に、コロナ禍を奇貨として、自民党が憲法審査会を動かそうとしていることについての記事。見出しから。

(5面)
コロナ糸口に憲法審
開催焦る自民 野党「不急」

5月3日の憲法記念日が迫るなか、自民党が新型コロナウイルスの感染拡大を利用して、「緊急事態における国会機能の確保」なる名目で審査会を開こうと呼びかけたが、野党は「火事場泥棒的だ」(共産党・志位委員長)と批判して拒否。衆参の憲法審査会の停滞が続いていることに、自民党は焦りを募らせているという。

自民党が目を付けたのは、衆参の本会議開催に「総議員の3分の1以上の出席」が必要としている現行規定。

●uttiiの眼

自民党は国民投票法改正案(既に6国会を跨いでいる)を優先させようとしているが、野党はCM規制の議論を優先させるべきだとして、審査会はほとんど開かれていない。自民党のホンネは「改憲4項目」の議論だろうが、なんとか、野党側をテーブルにつけようとして出された新提案が「国会議員に感染が拡がった場合の憲法上の問題点の整理」だった。事態の「打開」を図って自民党は、佐藤勉憲法審査会長の職権で「与野党による幹事懇談会」をセットしたが、野党は応じず、逆に、「火事場泥棒的」などの激しい反応を引き出す結果となったという展開。

失言はなくても、新型コロナウイルスの感染拡大で「緊急事態」が宣言されている時に、「不要」はともかく、「不急」の課題を議論しようというのは非常識であり、与党の公明党からさえ、「いきなり衆院の任期と憲法の問題をからめることは飛躍している」(山口那津男代表)との批判を浴びることに。

print
いま読まれてます

  • 緊急事態宣言下に「不急」の憲法議論を画策。政府自民党の非常識
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け