緊急事態宣言下に「不急」の憲法議論を画策。政府自民党の非常識

 

抗体検査の驚くべき結果

【東京】は1面トップで、新型コロナウイルスの感染実態を探る東京都内の医師の調査について、大きく取り上げている。見出しから。

(1面)
抗体検査 5.9%陽性
市中感染の可能性
都内の希望者200人調査
実態把握へ検査拡大を

まず、【セブンNEWS】の第7項目を再掲。

新型コロナウイルスの感染実態を把握するため、感染症に詳しい久住英二医師が都内で希望者200人にウイルスの抗体検査をしたところ、一般市民で4.8%、医療従事者で9.1%が陽性で、過去に感染していたことが判明。既に蔓延の実態を窺わせる結果に。

この調査は、感染症に詳しい久住英二医師が理事長を務める新宿区と立川市のクリニックで21日から28日に実施されたもの。ホームページ上で希望者を募って、20才から80才の男性123人と女性79人について検査を行った。1ヵ月以内に発熱があったのは52人、同居者で感染者がいる人は2人、PCR検査経験者は9人で、うち1人は陽性反応が確認されていた人。検査の結果、一般市民147人中4.8%の7人が陽性。医療従事者55人中9.1%の5人が陽性。合計で202人中5.9%にあたる12人が陽性だったというもの。検査には、採血後15分で判定できるクラボウが輸入した試薬キットが使われた。

久住医師は、「原因不明の死者が増えていることからも、PCR検査を拡大して速やかに診断し、早期に治療を開始すべきだ」と訴えている。

記事には記者による「解説」が付いていて、この検査結果は「国内で感染が確認された人数を何十倍も上回る人がすでに感染した可能性を示している」とする。日本では検査例が圧倒的に少なく、「感染の拡大に検査が追いつかない状況が続く」と。慶応大学病院が実施した同様の検査(新型コロナウイルスとは無関係の入院患者67人へのPCR検査で4人、5.97%)でも驚くほど、今回の結果と近い数字が出ている。

記者は最後に「これまで検査数を絞ってきた世界でも珍しい日本式のやり方は見直しを迫られている。いったん決めた政策に固執せず、転換を図るべきだ」と。

●uttiiの眼

新型コロナウイルスに感染して既に治った人が6%近くもいて、市中蔓延状態であり、残りの大多数はこれから感染する可能性がある人たちということになる。感染爆発が起こるかもしれないのはこれからということだ。

東京の人口1390万人の中に同じ比率で「既に感染した人」がいるとすれば、その数は82万人を超える。これまでに確認された4百人あまりの数字は「氷山の一角」にもならない。「市中蔓延」はこの結果でも十分明らかだと思われ、一刻も早くPCR検査を拡充し、徹底したサーベイランスを実施して早期治療に結びつけていかなければ、犠牲者はどんどん増えていくことになるのだろう。

【あとがき】
以上、いかがでしたでしょうか。

検査の精度とか確実性とか、色々問題を指摘する向きもあるようですが、抗体検査、大規模にやるべきではないでしょうか。蔓延の状況を周知し、かつ、自分が感染していないことが分かれば、よりいっそう、行動の自粛の徹底にもつながるように思います。

「自分の命」という、誰にとっても重要な「守るべきもの」を意識させるのが、日本人に社会的な行動を促す最も効率的な方法になっているようですから。もう1つ、政治的な指導者の発言や姿勢に対する、一般の信頼がどの程度かということも、対策を効率的に実施しうるか否かを決める重要な要素だと思われますが…。

image by: 首相官邸

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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