ビジネスの現場においてはお客様に目を留めていただくために、日々の「PR」は欠かせないものです。しかし、お店や企業に堂々とPRできる「強み」がない、もしくは思い浮かばないといった場合、なにか打つ手はあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、マイナスポイントをポジティブなことに置き換えPRする方法を紹介しています。
逆転PR
お店や企業には、それぞれの強みがあります。
「うちの商品は、どんなお客様でも使いやすい商品が揃っています」
「うちの店は、品揃えがとにかく豊富で、多くのお客様のニーズに応えられます」
どんな強みがあるかは、それぞれのお店や企業によって変わりますが、それらの強みを最大限にアピールしてお客様に伝えることで、お客様にもまた喜んでいただけているわけです。
こう考えると、「じゃあそんな強みがないうちの店はどうしたいいんだろう」と頭を悩ませている担当者は少なくないのではないかと思います。例えば、「うちの店は商品の数が少ないから…」とか、「うちの会社の商品は、いろんな年齢層のお客様に使ってもらうには難しいから」とか、昨今の流れなんかを考えますと、「うちの店はオンライン接客やりたくても、そんなシステムを入れられる予算も、リソースも足りてないから‥」と言った悩みを抱えている人もいるかもしれません。
確かにこうしたことは、強みとは逆で弱みと捉えられることが多いものです。ですが、それは見方を変えれば、PRできる材料になる可能性も秘めていることでもあるのです。
例えば、今、店頭にお客様が来にくい状況と言えます。感染症対策も含めて、店側の対応の是非が問われる状況でもありますよね。なので、オンライン接客のような新たな接客ツール、接客の仕方が注目されていて、そこに追随する企業が増えています。
もちろん、それはとても良いことなので、できるところほど早くやった方がいいとは思いますが、さっきも挙げたように、そうしたコストをかけられない、そのためのリソースがないということで、オンラインには踏み切れないという店も少なくはありません。一見すれば、これは弱みに見えがちなことのように思えます。
でも、逆の見方をすれば、「オンラインはやらないけれども、その分、店頭での接客を大事にします」という発信の材料にもなるわけです。「うちはオンラインに避けるリソースがないので、その分店頭に回します。だから、来てくれたお客様にこれだけのサービスをしますよ」と伝えられれば、例えオンラインができなかったとしても、店頭のしっかりしたサービスを求めるお客様にとっては、良いのです。
「できないからアピールできない」と、ネガティブに考えるのではなくて、むしろそれをポジティブにアピールすべきで、「巷ではオンライン化が急速に進んでますけど、うちはあえてこの道を行きますよ!それにはこういう理由がありますよ!」ということがはっきり言えるのであれば、その方がお客様は喜んでくれます。要は、ネガティブだと感じやすいことを、あえてポジティブなことに置き換えて伝えていきましょうということです。
接客でも同じことはいくらでもあります。「この靴は重い」というのは、一見するとネガティブな弱みに聞こえます。しかし、逆転の発想で考えれば、「この靴は重さがあるから、安定感がある」というポジティブな要素として、お客様に伝えることができますよね。
接客でも、お店や企業のPRでも、ネガティブな弱みを、ポジティブな強みにしてお客様に伝えることができれば、
まったく違った価値が生まれます。
ちなみに、拙著、『買った後を想像させれば、誰でもこんなに売れる』は、一般的な接客ノウハウ本と比べると、100円~200円ほどお値段がお高めです(お気づきになりましたでしょうか?)。なぜかというと、その分、他の本よりもページ数が多く、情報量も多いからです。
ページ数を減らしてお値段を下げることも当然できたわけですが、そうしなかったのは、それだけ細大漏らさずお伝えしたいことがあったという理由があります、とかいうPRをしてみたりもできそうですね。いや、実際その通りなんですけど。
今日の質問です。
- 自店や自店商品の弱みはどこですか?
- その弱みを逆に強みにして捉えると、どんなPRができますか?
image by: Shutterstock.com