なぜ、日本政府が作るソフトウェアは使えないモノばかりなのか?

 

ちなみに、こんな状況を打破する、とても良い方法を提案したいと思います。政府系のソフトウェアは全てオープン・ソースの形で行うのです。大雑把な要求仕様書と予算は政府が作り、実際のソフトウェアは、公募するのです。

それもこれまでのような(実績がある会社の中から、一番安い見積もりを出した会社が受注する)競争入札ではなく、実際にある程度動くものをソースコード込みで提出してもらいます。

そして、出来の良いものを作ってきた上位3社(個人やグループでも結構です)を選び(この選択過程は全てオープンに行います)、そこまでの労力に対する報奨金(公募時にアナウンスします)を支払い、そしてそこから1社をプライムベンダーとして選び、オープンソースな形でそこが開発を中心になって進め、残りの2社にはコードレビュー、テスト、バグ探しを手伝わせます。

開発費は人月工数ベースではなく、公募時に決めた価格を支払いますが、予定の日時までに完成しなかった場合にはペナルティとして大幅に(40%程度)減額し、そこからは別の1社がプライムベンダーとなって開発を引き継ぎます。

また、リモートワークを可能にするために、仕様書の作成、公募、開発の全てから会議(オンライン会議も含めて)を排除し、全てのコミュニケーションをSlackもしくは相当するサービスを利用した非同期の文字によるコミュニケーションで行います(そしてこれが議事録として残ります)。

例えば、予算1億円のプロジェクトであれば、公募時の報奨金3,000万円(1,000万円づつ)、本開発はプライムベンダーが4,000万円、サブベンダーが1,500百万円づつ、ぐらいのイメージです。

こんな形の公募には以下のような利点があります。

  • オープンソースなので、作ったものは(公募で集まったものも含めて)国民の(実際には人類の)共通財産になり、一つの地方自治体が作ったものを別の地方自治体が(そのまま、もしくは改変して)使うなども可能になる
  • 実力勝負になるため、天下りによる官民癒着体質から脱却できる
  • ITゼネコン、派遣会社のような中間搾取団体が排除される
  • 少数精鋭のフリーランス・グループが有利になるため、人材市場に流動性が生まれる
  • (会社など作らずに)プロジェクトごとに集まるという新しい働き方が可能になる

先週紹介した、堀江貴文さんの「東京改造計画」が本当に実行されることとなったら、このアイデアも是非とも採用していただきたいと思います。実際にやるとなれば、公募システムそのものも喜んで開発します。

image by: Shutterstock.com

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マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。IT業界から日本の原発問題まで、感情論を排した冷静な筆致で綴られるメルマガは必読。

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