香港デモ同様の手口か。全米に広がる暴動の裏に中国「関与」の噂

 

こうしたやり方は、中国の「三戦」という戦術に基づいたものです。これは、2003年に修正された「中国人民解放軍政治工作条例」のなかに盛り込まれた、人民解放軍の戦術です。

この三戦とは、世論戦、心理戦、法律戦の3つのことです。世論線とは国内および国際世論に影響を及ぼし、自分たちへの支持を築くこと、心理戦は威嚇や脅迫、恫喝などによって相手の士気を低下させること、そして法律戦は国際法や国内法を利用して、相手の不当性に非を鳴らすとともに、自らの絶対的な正当性を主張することです。そのためにはどんな屁理屈も厭わない。

たとえば、南シナ海の領有権については、「古文書に書いてある」などという不確かな情報を根拠に、とにかく「漢の時代から管理していた」などと主張し、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所から「中国の主張に根拠なし」という判決が下されれば、西側諸国が勝手に決めた国際法に従う必要はないとし、「そんな判決は紙くずだ」と吐き捨て、まったく判決を守ろうとしません。

言い換えれば、あくまで自己中心的で、自分の都合いいように何でも解釈するということです。

今回のアメリカでの暴動についても、中国はアメリカの黒人差別を人権問題だとして、ウイグルや香港問題に口を挟むなと牽制するつもりなのでしょう。

ところで、この全米での暴動について、中国が裏で関与しているのではないか、という噂があちらこちらから出てきています。

私もよく知る元中国人の石平氏は自身のツイートで「アメリカの『抗議者』、どういうわけか中国共産党党旗、中国の国旗を掲げている。暴動の背後に中共の暗影があるのではないかとの疑惑が深まっている」と述べ、ジャーナリストの門田隆将氏もこの投稿をリツイートしながら、「やはりというべきか“中国の関与”が取沙汰されてきた。SNS上の映像では中国語が飛び交い、抗議者の掲げる旗に中国国旗も」と指摘しています。

ジャーナリスト・門田隆将氏 米国全土の暴動で「“中国の関与”が取沙汰されてきた」

以前、香港デモでは変装した香港警察や中国軍がデモ隊に潜り込ませ、過激な暴動を演出したことがありました。香港人は英語が話せるのに、彼らはまったく英語を話せなかったことから、大陸の中国人だということがバレたことがありました。

こうしたことも、世論戦の一環なのです。そのため、アメリカでのデモ隊のなかに中国からの指示を受けた工作員が紛れ込んでいても、なんら不思議ではありません。

台湾も、中国から多くのフェイクニュースを流されており、蔡英文政権も中国発のフェイクニュースによって扇動されないよう注意を呼びかけています。

武漢発のパンデミックを利用して、中国は南シナ海だけでなく、尖閣海域にも手を伸ばしているという、不穏な動きがあります。日本は中国の火事場泥棒への警戒を緩めてはいけません。


 

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年6月3日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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