リアル店舗は必要か。コロナ後のデジタル時代に小売が生き残る道

 

新しい店舗の提案

まず、店舗は

  • 消費者が何かを感じるところ
  • 情報を収集する場所
  • 楽しい経験が出来る場所

でなければならないと訴えます。そして、そのためにやるべきことをたくさん提案されていますが、その中から少しだけ拾ってみましょう。

まず、消費者は購買体験による感動を求めているので、消費者の心をつかむストーリーを語れと言っています。例えば、ボストンの「アディダス・ランベース」やロスアンゼルスの「ナイキ・バイ・メルローズ」では、それぞれのブランドのストーリーが語られ、消費者の心をつかんでいるようです。

また、リアル店舗では、楽しい経験ができることが重要だと言っています。例えば、フランスの大手スポーツショップ「デカトロン」では、会員のために一年中「SPORTSDAYS」という無料のスポーツ教室を開いているといったことです。

そして、消費者とは長い期間の関係づくりをしなければいけません。そのためには、お客様と1対1の関係づくりをし、そのお客様だけの特別な商品やサービスを提供することです。もちろん、デジタル技術を使って、お客様とのコミュニケーションを取り続けることもします。

さらには、消費者のブランドや店舗に関する情報や評価は他の消費者の意見を参考にする時代です。そのため、SNSなどで消費者にブランドや店舗のことを語られることを目標にしなければいけません。

このように、リアル店舗のあり方が変わってくると、広い売場の店舗よりは、何かに特化した小さな店舗で十分だということが、この本の中では提案されています。まさにニッチ戦略です。もしかしたら、単なるサービスセンターや集合場所の機能しかない店舗が生まれるかもしれません。例えば、スポーツ用品修理専門店とか、チーム戦略アドバイス専門店といったお店も考えられます。

いずれにしても、コトラー教授の本を読めば、「リテール4.0」の時代に合ったスポーツショップのアイデアがいくつも浮かんでくることでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。

■今日のツボ■

  • 時代は「リテール4.0」の世界に入っている
  • デジタル時代にあっても、リアル店舗は必要である
  • 何かに特化した小さな店舗の時代になっていく

image by: 2p2play / Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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