「20億中抜き」の電通隠れ蓑法人を経産省が自作したという証拠

 

なんと、そのプロパティには、「補助金執行一般社団法人(仮称)定款(案)」なるタイトルとともに「情報システム厚生課」と作成者名まできちんと記録されているのである。

梶山経産相は「職員にヒアリングをした結果、定款作成プロセスへの関与はないということでした」などと述べたが、同協議会の定款作成に経産省がかかわっていたことを確信させる証拠がネット上にあるのに、それを否定する証拠はいまのところ経産省側から示されていない。

経産省とつるんで同協議会を実質的に動かしてきたのが、平川健司氏という人物であるらしい。

平川氏は2016年の協議会設立時、電通に在籍したまま理事に就任し、昨年6月に電通を退職してからも、そのまま業務執行理事を務めている。

6月8日の釈明記者会見では、平川氏が、いかに電子申請についてのノウハウが協議会にあるか、申請サポートなどの実務が大変であるか、電通などとの協力体制が必要であるかについて、一手に説明を引き受けていた。

たしか、テレビの取材に対し、笠原前代表理事が「電通は国民に評判が悪いので」と漏らしたと記憶する。パソナも政商のイメージが強い。

こうした企業に経産省がべったり依存していることを悟られないよう、わざわざ別名の法人をつくったのではないだろうか。週刊文春の取材に、笠原前代表理事は「電通の友人に頼まれて、インバウンドの研究をやろうと思って入ったんだけど、何にも活動がない」と語っている。

つまるところ、政府の仕事をますます増やしていきたいであろう電通、パソナなどの“隠れ蓑法人”が、同協議会なのではないか。経産省官僚としても将来の天下り先として協議会を肥やす思惑がないとはいえないだろう。

経産省は4月2日、同協議会と電通の担当者を呼んでヒアリングをしている。競争入札が公示されたのは4月8日のことであるのに、それより2日前には同協議会が「jizokuka-kyufu.jp」のドメインを登録している。

別の日にヒアリングをしたというデロイト・トーマツは、気の毒ながら“当て馬”にすぎなかったのではないだろうか。

これまでの経緯は、とにもかくにも不透明。その一語に尽きる。せめて安倍首相は、競争入札が適正に行われたかどうか、黒塗りのない資料を公開するよう、経産相に指示すべきである。

image by: , CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

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