防衛省も財務省も地元も不満。陸上イージス計画停止の本当の理由

 

費用対効果

【読売】は1面トップと3面の解説記事「スキャナー」。見出しから。

(1面)
陸上イージス「困難」
山口・秋田 配備停止
政府発表 技術・コスト問題

(3面)
装置改修機に見直し
陸上イージス
演習場外落下の恐れ
対米関係影響の見方も
海自艦に負担 懸念

《読売》の捉え方は、「ブースター落下の問題に対応する改修の必要性が表面化したのを機に、以前から難航していた計画をリセットする狙いがあるとみられる」というもの。ブースター落下の問題を重視し、やや「真に受ける」形になっている。ブースター問題が配備計画見直しの「最大の原因」とはするものの、「配備計画は、防衛省の不手際が次々と発覚して地元に不信感が広がり、ブースターの問題が発覚する前から立ち往生していたのが実情だ」とも言っている。

防衛省の「不手際」とは、グーグルアースを使ったために仰角を過大に見積もるなど調査データに初歩的な誤りを生じたこと、及び説明会中に同省職員が居眠りをしたことを指している。

《読売》は、配備停止の否定的な影響として2点指摘する。1つは、日米関係の問題で、実際にイージス・アショアの計画を見直す場合には、「米国から別の装備品を購入する案が検討されている」という。もう1点は、海自のイージス艦に対する負担が増え、南西地域に戦力を振り向けることが困難となり、「中国の進出に対抗できなくなりかねない」(防衛省幹部)というもの。

●uttiiの眼

計画見直しの「要因」としてさらに挙げられているのは、「費用対効果」の問題。2基で計7千億円という金額の多さだけではない。そもそも北朝鮮や中国が変則軌道で飛来する新型ミサイルを開発していて、イージス・アショアでは対処ができないとの声も出ているというから、何をか言わんや。

世界最大の武器商人と化したトランプ米政権から、ポンコツのミサイルシステムを7千億円で買うほど馬鹿馬鹿しいことはない。しかも、イージス・アショアを買わない分、ほかの装備品を買って辻褄を合わせようとしているとは驚いた。安倍氏はまるで「買い物ゲーム」をやらされているかのようではないか。

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