当代一の名経営者が語る、成長会社のトップが「自分を捨てる」訳

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当代一の名経営者として名を轟かせ、2009年に惜しまれつつも99年の生涯を閉じた元日本光電工業相談役の井原隆一氏。その著書『人の用い方』を北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が座右の書として挙げるなど、各界に多大な影響を与えたことでも知られています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』で紹介されているのは、そんな井原氏が生前、「成長会社のトップ三十数人の共通点」について語った記事。鋭い洞察力に裏打ちされた興味深い内容が記されています。

成長会社のトップ三十数人の共通点 井原隆一

数々の企業再建に尽力し、名経営者として高い評価を得てきた井原隆一氏。北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督がその著書を座右の書としておられることでも話題となりました。

その井原隆一氏が『致知』1981年11月号の対談記事で語られた「成長会社のトップ三十数人の共通点」という興味深いお話があります。


以前に成長会社のトップ三十数人かの人と対談したことがありましてね。で、対談して気づいたのはその三十何人には非常に共通したものがあるんですね。

一、自分に厳しい

二、がめつい

三、エリート意識がない

四、洞察力がある

五、物、人に対する感謝の念が強い

六、これでいいと満足しない

七、数字が読める(将来の計算をするのが巧み)

八、厳しい体験の中から自分が成長する糧を見出している

九、独りぼっちになる(反省)

十、天才は一人もいない。

その三十何人かのトップをみていてね、どうしたら、ああいう姿勢を持てるのかを考えてみたんですが、要するに、自分を捨てきっているからなんですね。

自分を捨てきれない者は会社を捨てるか、自分が捨てられる。自分を捨てるというのは、自分の立場とか、名誉とか地位とかね、そういうことにとらわれないで、企業経営のために、全能を傾けられるということです。

私はね、将たる者は右手に七分の合理性、左手に三分の人間味を持てといってます。厳しさだけじゃ、やはり人はついてこないから、三分の人間味を持つ。

ところが、その右手に私情を入れる人がいる。自分が大切だから、悪口いわれないようにするわけです。だから、私を捨てられない人は判断、決断、断行ができない。会社のためにはこうした方がいいんだが、失敗したら自分の責任を問われはしないかとかね、自分を先にしている。自分を捨てていない。

企業のためにこうすべきだと判断、決断しながら、私の感情を入れるものだから、断行ができない。こういう公私混同も困る。それで、得てして、こういう公私混同が会社を滅ぼす。あのトップは立派な人だとか、いい人だとかいわれたくてね、断行を躊躇する。

勇気というのは私心を捨てたときに、自ずから出てくるものですのにね。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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