悪いのは私よりも夜の街。国や都の雑対応で庶民が払う大きなツケ

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2日に再び100人を超えてしまった、東京都の新型コロナ新規感染者数。3日には124人と、2日連続で100人を超えてしまいました。小池都知事は、その原因を「夜の街」と強調し続けていますが、はたして繁華街の「飲食店」だけに押し付けても良いものなのでしょうか? コンサルタントの今市太郎さんは自身のメルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』で、都や政府のコロナ対策が「夜の街に繰り出さなければ自然に収束する」といった段階に入ってきたことに大きな懸念を示しています。

日本の新型コロナ対策は「夜の街に繰り出さない」という解決方法しか無いのか?

3月から大騒ぎして自宅待機を余儀なくされた新型コロナ感染の問題ですが、株式市場はすっかりそんなことはお構いなしの相場をいち早く展開しているものの、市民生活もさすがにコロナの感染報道には飽きが来ているのは間違いなさそうです。東京で2日、新たに107人が感染していることが確認されたという報道がでても、ほとんど誰も驚かなくなりつつあります。

なぜ5月25日に緊急事態宣言が解除されたのかも、今となってははっきりしませんが、どうも感染はまったく収束していないことが透けて見えてきます。

また、どういう検査をしているのかよく判りませんが、107人のうち29人はホストクラブやキャバクラ店の従業員や客などで、このうち新宿エリアでは16人、池袋エリアでは2人の感染ということから、本来は107人のうち45人はどこで感染したのかまったくわからないにも関わらず、今回、表面上感染が拡大しているように見える事態が「夜の街のせい」になりつつあります。

小池知事の対応は、もはや「支離滅裂」

小池都知事は2日午後5時からの緊急記者会見で、現在の状況について「感染拡大、要警戒の状態にある」と述べ、夜の繁華街への外出を控えるように呼びかけ、完全に「夜の街のせいで感染が広がっている」と暗に示唆する発言を繰り返し始めています。

ただ、もはや経済を止めることはできないことをよくわかっているのか、「緊急事態宣言の状況に戻ることは誰にとっても好ましくない」とも発言しており、休業要請などの規制も行わないとしています。

こうした姿勢は、国もほぼ同様のようで、菅官房長官も特段会議を招集して対策を打つといったことはしない模様で、どうやら政府も都もとうとう何もしない、まさかの「ノーガード戦法」で感染が自然収束することで乗り切るつもりのようです。

国や都のいい加減な対策で、国民が払わされる大きなツケ

東京から地方に人を移動させない、また感染者をしっかり隔離することが最大の防御となるはずなのですが、もはや「夜の街のせい」にして乗り切るしかない状況のようで、ここから景気に与える深刻な影響が益々懸念されることになりそうです。

経済と感染収束策の実施については、いまやどこの国でも同様の問題をかかえているようですが、本当の戦争で空爆や市街地で戦闘行為があるような事態とは異なり、ウイルス感染による街の破壊は可視化されないのが非常に大きな問題になりつつあります。

2日に発表された米国の雇用統計の良好な結果を受けて、トランプ大統領は大喜びで会見まで行う始末となりましたが、どこの為政者も、現実は別として、景気が早期に回復することを呪文のように唱えはじめていますから、本邦のようにコロナ問題は「夜の街に押し付ける」という非情なやり方も、わからないではない状況になってきています。

こういういい加減な方法で、最後にどのようなツケを払わされることになるのかは全く判りませんが、「夜の街にさえくり出さなければ収束する」といった完璧に誤った方法では、とんでもない事態に陥りそうで怖ろしい近未来に直面しそうです。

考えて見ますと、100年前のスペイン風邪の流行のときと、国の対応はほとんど変わらないのが気になるところです。結局、我々は抵抗力があれば感染せず死ぬこともないものの、それ以外の方々は結局見捨てられてお仕舞いになってしまうのかも知れません。

投資のことなどにかまけている場合ではなさそうで、本当にひとりひとりがどうやって病気に罹患しないようにしていくかが極めて重要な時に再突入してしまったようです。

image by: Sean Pavone / Shutterstock.com

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