「このタスクは何のためにある?」を考える人はなぜ出世するのか

 

タスクの裏にある狙いを理解する

前回は御用聞きをするつもりで仕事をやると、先輩もしくは上司にエコヒイキをされるよという話をしたんですが、そうやって担当する部署の個々の業務(タスクとか作業レベルの仕事ね)を覚えながら、同時に

  • この業務ってどういう理由で存在するのかな?

ということに想いを馳せるのです。

作業には、それをやらなきゃならない理由があるんですよね。この仕事を作った、手順を設計した人がどういう意図を持ってこれを業務にしたのか?を知ろうとするんです。

そうするとその仕事の意義が見えて来るんですね。アルバイトや派遣でこの目線を持っている人が、将来リーダーとか社員への登用って話をもらえるんです。

仕事をタダの作業だと考えている人と、その仕事を設計、制定した人の意図を理解した上でやっている人とでは、仕事の見え方が異なるというか、次元が違ってくるのは当たり前ですよね。後者の感覚があるから、業務改善ができるわけです。

逆に言えば、それを理解している人を重用すると、生産性や業績が上がったりするわけです。これは私が後に正社員になって、部下を持ってから必ずやったことです。新しい会社、新しい部署に管理職としてアサインされ、ここはどんな仕事をしているのかな?と業務の理解をする時に、主だった人にインタビューをするわけです。その時に、リーダー格、古株なのにこの目線を持っていない人は、すぐに排除するか、使えない人というラベルを貼って、逆にこの目線を持っているのに、下層の業務しかやらせてもらっていない人が見つかったら、すぐにエコヒイキリストに入れて様子を見るわけです。

なぜここが大事なのかというと、仕事の意図を理解できる人には、抽象的な指示で話が済むからです。逆にこの目線を持っていない人には、仕事の指示を具体的にしなきゃならないんです。

仕事をタダの作業だと考えている人には、作業としての手順書を伝えて、できるようになるまでトレーニングをさせなきゃなりません。そしてこれは次の業務をでも同じで、毎回毎回ステップ1はこれをやる、次にステップ2ではこうする、と言わなきゃ動けないんです。

ところが意図を理解できる人には、意図だけを伝えれば良いから話が早いんです。そしてそこに権限と責任を付与してあげると、自分で最も良さげな作業手順を考え出すんですね。管理者としてはこっちの方がはるかにラクでしょ。私が作業手順書を書かなくても良いんですから。

仕事って役職が上がるほど、上からの要求は抽象的になるんですよ。最も抽象的な指示は社長のところに来るんですね。それはたった一言、「業績を上げろ」ですから。株主からこれを言われるわけです。その指示に手順書なんて無いんですよ、当たり前ですが。

社長ほど極端じゃなくても、

 売り上げをもっと伸ばして
 ▼ 不良率をもっと下げて
 原価を低くして、品質を上げて
 顧客満足度をもっと上げて
 残業を減らして生産性を高めて

なんて指示が部門長には来るわけですよ。これってそれぞれの業務が有機的にどう繋がっているのかを理解していないと、何をどうしたらそういう結果を手に入れられるのかを設計できないんです。作業手順を丸暗記しても、この指示には無力なんですね。

業務の裏に存在する意図を理解するということは、具体的作業から抽象的な目的、目標を理解するということで、それができるから逆の流れである抽象具体的な手順を考えることができるんです。

そこに目線がスッと移動できるということは、仕事に対する感度が高いということで、だからエコヒイキされるんです。私がアルバイト時代にやたらと、社員にならないか?ってお誘いを受けたのは、こういうセンスがあったからなんですね。

今、非正規で働いている人は、ここを意識して仕事をすると、正社員への登用があるかも知れませんよ。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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