日本通信が月額2,480円で音声かけ放題プランを投入――福田社長「確かにリスクはゼロではない」
7月15日、日本通信は月額2,480円で音声通話かけ放題、データ容量3GBがついたプランの提供を開始した。これは、6月30日に総務大臣からの裁定により、データ通信のみならず、音声通話に関しても原価ベースでの調達が可能になったため実現したものだ。
ただし、実際の卸料金の決定はNTTドコモに6ヶ月の猶予が与えられているため、12月末にならないと判明しない。日本通信としては見切り発車的にサービスをスタートさせたことになる。通話定額オプションをそのまま提供を受けるわけではなく、単に卸料金が値下げしただけで音声通話定額の提供に踏み切った。つまり、ユーザーが大量に音声通話をすれば赤字に陥る可能性もあり得るのだ。
日本通信の福田尚久社長は「確かにリスクはゼロではない」という。ただし、卸料金は30秒数円、数円といってもかなり下の方の数円になると予想しており、問題はなさそうだということだ。
今回の裁定により、NTTドコモからの音声通話による卸役務の料金は見直されることになる。日本通信だけの卸料金とは言え、公開情報であるから、いずれ全てのMVNOに適用されることになるだろう。しかし、NTTドコモはこれから、音声通話に関してもMVNOに対しては「すべてのMVNOに接続で提供していきたい。接続であれば平等で公平性もある」(吉澤和弘社長)という。NTTドコモでは、プレフィックス番号を設備側で付与できるよう改修工事を進めており、年内に提供する予定だ。
一方、日本通信はどんな考えなのか。NTTドコモがすべてのMVNOに音声を接続で提供するという意思を示す中、日本通信の福田社長は「将来的に接続ができて、代替案として機能し、卸よりもベターなら接続を考える。今回の大臣裁定が出ても、卸で提供していく義務がNTTドコモにある。卸で続けていくのも選択肢だし、接続が見えて、卸よりベターなら乗り換えていく」という。
果たして、12月にNTTドコモはどんな卸料金を出してくるのか。一方、接続においても、どんな料金設定が登場してくるのか。日本通信にとってみれば、卸料金の設定が重要になってくる。一方で、接続によって他のMVNOはどんな料金を実現できるものなのか。今年12月に向かってMVNO関連の料金が大きく動くことになりそうだ。そこでメインキャリアやサブブランドがどう対抗するかが注目と言えるだろう。
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