満員電車の咳は気にするのに、レジの金銭手渡しを気にしない矛盾

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新型コロナウイルスが猛威を振るう今、出入り口に消毒液を置く店舗が多く見受けられます。しかし、「果たしてそれで充分なのか」とするのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で今回、「声」として上がってこないお客様の要望を汲み取ることの重要性を説いています。

話題にすらならないこと

世の中には、表立って話題にすらならないようなことというのがたくさんあります。当の本人たちにとっては、死活問題レベルの重要なことだったとしても、社会的な関心が低かったり、全体の分母に対する割合があまりに少ないことで、話題に上がる機会がほとんどないようなもののことです。

ですが、物を売る側、店や販売員としては、こうした話題にすらならないようなことに対して、どうするか、どう動くかを考え続ける必要があると思います。そこに、その店や販売員ならではの解決策などが出てくれば、そこで悩むお客様からすれば大きな選択肢になるからです。

例えば、今のご時世、衛生に関してはとても敏感になっている人がいますよね。例のウイルスの影響が大いにありますが、接触感染も起こってしまうということで、どこの店にも消毒液が置いてあったりします。

しかし、どの店でも発生する「金銭授受」に関しては、そんなに話題にはなっていません。相手と接触することで感染の可能性があると言われているのにもかかわらず、お店で最も相手と接触する可能性が高いレジ周りでの金銭授受については、危険だと言っている人はほとんどいないわけです。もしかすると、いるのかもしれませんが、表立って話題にはなっていないように感じます。これも一つのポイントです。

あるパン屋さんでは、食品を扱うということもあって、レジでの金銭授受を販売員とお客様の間で行なう必要がないように、レジに自動支払機が設置されています。よくスーパーなんかにあるアレなのですが、通常のパン屋の会計オペレーションの中での「金銭授受」の部分だけを、手渡しでする必要がないようになっているのです。これによって、感染リスクも避けられますし、パンという食品を扱う上での衛生面も安心感が得られています。当然、そういうことを気にしているお客様は、「ここなら衛生面は大丈夫」という感覚を持って買い物に来ているわけです。これも、話題には上がっていないけれど、お客様がどこかに不満や不安を持っていることへの解決策を提示できている良い例だと感じます。

こうした世の中的に大きく話題に上るようなことはなくとも、お客様がどこかで小さな不満や不安を抱えていることはあります。それを見つけ出し、解決できる策を講じてお客様にとってより良いサービスを行なう。これもまた、とても重要なサービスではないでしょうか。

今日の質問です。

  • あなたの店のお客様が、話題にはならないけれど抱えている小さな不安や不満にはどんなことがありますか?
  • それらを解決するための策として、どんなサービスが考えられますか?

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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