不十分なコロナ対策。新宿の「限界集落」団地、戸山ハイツの惨状

2020.07.29
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さて、戸山ハイツに限らず、大規模集合住宅で、新型コロナウイルスのクラスターが発生しやすい場所は、エレベーターと集会所である。

エレベーターは感染リスクが高い

エレベーターは感染リスクが高い

まず、エレベーターに関しては、狭い空間で多人数が乗り込むと密になる。また、ウイルスの付着したボタンを触った指で顔を触ると、目、鼻、口からウイルスが侵入して感染するリスクがある。

エレベーター利用時の注意

エレベーター利用時の注意

ボタン接触の問題はJKK東京(東京都住宅公社)も認識していて、現在建て替え中の「新しい生活様式」に対応した「コーシャハイム新中野テラス」にて、タッチレス型エレベーターを初めて導入している。これは、スマートフォンの指定アプリに予め必要な情報を登録しておくと、ボタンを操作しないで、自動でエレベーターを呼び出して目的の階に行ける。

工事中のコーシャハイム新中野テラス

工事中のコーシャハイム新中野テラス

対面せずに荷物を受け取ることができる、宅配ボックスも備えていて不在時にも便利だ。むしろ高齢者の多い、戸山ハイツのような築年数の古い集合住宅の建物にこそ、率先して導入してほしい設備である。

コーシャハイム新中野テラスのタッチレスエレベーターを視察する、小池百合子東京都知事

コーシャハイム新中野テラスのタッチレスエレベーターを視察する、小池百合子東京都知事

前出・村山氏が懸念するのは、朝、各家庭からゴミを捨てる時に、ビニール袋を持った住人がエレベーターに殺到してしまうことだ。ゴミ捨て場は1階の棟の外に設けてある。前日に捨てられず、8時半頃に回収車が来るため、どうしても同じ時間帯に集中する。

1階の外にあるゴミ捨て場

1階の外にあるゴミ捨て場

満員のエレベーターの中で、マスクを着用せずに雑談をする人がいたら、飛沫から感染するリスクが高い。

エレベーターの乗り方について、NPO法人 全国マンション管理組合連合会では、「ボタンに触る時に、指を折って第1関節で押すことでリスクはかなり下げられる」と提案する。

「何人か一緒にエレベーターに乗るだけでは、感染リスクが高いと言えない。近い距離で話したり、くしゃみをしたりすると危ない。できるだけ、お互いの距離を取り、話をしないことが大事。手洗い、うがいを励行。マスクもリスク回避に役立つ」と、同会ではアドバイスする。

使い捨て手袋を着用してボタンに触る、住人と外部からの訪問者が使うエレベーターを分けるといった方法もあるが、そこまで神経質にならなくても良さそうだ。

それよりも、各棟ごとに形成する自治会などで管理して、1階のエレベーターホールに共用のアルコール消毒液を設置したり、ボタンをまめに消毒したりするほうが有効的だ。

集合住宅でエレベーター前に消毒液を設置した例

集合住宅でエレベーター前に消毒液を設置した例

集会は、各自治会とも緊急事態の間は自粛していたが、再開する動きが始まっている。

コロナで自治会などの集会も三密をいかに防ぐかが課題になっている

コロナで自治会などの集会も三密をいかに防ぐかが課題になっている

開催に際しては、人と人の距離を1メートル以上取るソーシャルディスタンスや、マスク着用、声を張り上げずに遂行すること、短時間で済ませることが重要だ。

戸山ハイツ自治会のコロナへの取り組み

戸山ハイツ自治会のコロナへの取り組み

JKK東京では、前出・新中野テラスを皮切りに、今後の住宅建て替え時に、高速インターネット回線とWi-Fi設備を全戸に配置する。また、ワーキングスペースとして利用可能で、入居者の交流の場としても使える共用ルームを設ける。古くからある都営住宅にも、テレビ会議で集会が円滑にできるように、完備することを望みたい。

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