息絶える寸前の「日本の民主主義」を守るためすべきこと
新党の党名を「代表選挙と合わせて国会議員による投票で決める」という立憲民主党が示した案は、国民民主党の主張に沿ったものだ。玉木代表が賛同しない道理はないはずだが、合流そのものに反対する人々が思いのほか多かったようだ。
政策の不揃いは明白である。連合の利害がからむような政策、たとえば立憲民主党の原発ゼロ政策は、電力総連が忌み嫌うものだ。電力総連は国民民主党の支持母体だし、同党の小林正夫総務会長は電力総連の出身である。
だが“しがらみ”に囚われていると、ロクなことはない。今は、利害とか人間関係の枠を飛び越える時だ。
「政策のすり合わせも必要」と玉木氏は言い、“船長”の責任において、合併反対派とともに党に残留する。不完全燃焼のようではあるが、とにもかくにも、合流を実現させたという意味で、玉木氏の労を多としたい。
間違いなく、新党は、あの民主党に先祖返りしただけとか、また失敗を繰り返すのかとか、人々を期待薄に誘う論評にさらされるだろう。
それでもいいではないか。民主党政権の失敗。その本質はどこにあったのかを総括し、多様な党内議論を一つにまとめる知恵をもって、再生のための壮大なチャレンジをしてもらいたい。
一度は実現するかと思われた二大政党制が民主党政権の失敗で崩壊し、安倍一強政治のもと、長い年月が流れた。もう一度、野党勢力の大きな塊をつくらねば、ほんとうにこの国の民主主義は息絶える。新党を見る国民の目線も刷新する必要があるのではないだろうか。
image by: 高井たかし - Home | Facebook