方向性さえ決めればOK。正反対の意見が会社組織を成長させる理由

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新しい事業やサービスなど、「何かを始めよう」となった際にかならず出てくるのが、後ろ向きな意見。常に変化を求められる企業にとってはマイナスとしか思えないこのような意見ですが、十分に耳を傾けることで組織の成長に繋げることも可能とするのは、人気コンサルタントの中久保浩平さんです。中久保さんは自身の無料メルマガ『ビジネス真実践』で今回、その方法をレクチャーしています。

水と油

戦後、高度成長期、バブル期、リーマンショック、災害そして、withコロナ…。時代の流れ、変化と共に商売、ビジネスをしていくうえで、組織から技術、サービスのあり方など含め、全てにおいて進化(変化)してくことはとっても重要なことです。

たとえば創業100年という老舗の企業や店舗で「この伝統を後世へ引き継ぐ」というような場合でも昔のやり方をただそのまま継続して商売をやっている、というだけでなく昔からやっていることを現代にアレンジしたり、昔のまま残す所は残し、削るところは削るなどその時々、時代と共に商売は続いています。

時代の移り変わりは早く感じますが、そうした時間軸を蔑ろにしたまま「なんの進化も無い」「デジタル化は難しいかもなぁ」などとしていたら、いずれ衰退していきます。時代、時間と共に進化や変化していくからこそ会社やお店は成長するし、そこで働く人もまた成長していくのです。

とはいいつつ、「現状維持ができればそれでOK」という人もいれば、「常に成長を目指す」という人もいますし、「成長していくことは大切だと分かっていても中々行動に移せない」という人もいます。この3者、かみあうことはありません。

たとえば「新しく何かはじめよう!」というような時、「今まで別に必要なかったんだから特に力を入れてやる必要も無いよね」という人と、「今まで無かったことだから、ワクワクするよね」というような人ととでは、180度、逆を向いているわけですからかみあうはずもないのです。だからといって、別にどちらが良い悪いということではありません。どちらが正しくて間違っているということではないのです。

ですが「何かをはじめよう!」という建設的なミーティングや会議で、こうした考え方や意見が全く異なるタイプの人が入り混じると大抵上手く行きません。最初から向いている方向が違うので、議論をいくら交わしてもすれ違うままで互いに嫌な思いをするか、話がウヤムヤになるだけです。水と油のようなものです。もし「会議やミーティングでかみあわないなぁ~」なんて違和感を覚えていれば、大抵の原因はそこにあります。

そうした場合はトップから1方向を確実に伝えておかなくてはなりません。軸を持ち、みなが同じ方向を向けるようにすることが何より大切です。たとえば「うちは拡大路線でいく」というのであれば、その方向へ向ける人達だけでまずは小規模のコミュニティ・チームを形成します。その際に現状維持で満足という人達の意見にも十分に耳を傾けることです。これが極めて重要です。なぜなら、違った視点からの意見をもらえ、計画・実行の際のリスクマネジメントに繋げられるからです。いざ新機軸として打ち出し、社内全体へ共有する時にとても役立ちます。そうすることで、会社組織、社員みんなにとっての成長に繋げていくことが出来ます。

  • 自社のスタッフの何割が進化や成長を望んでいるか?
  • それとも現状維持で満足しているか?

というようなことを見極めて、それぞれの意見や意志を尊重しつつも1つの方向を示し、向いている方向がみな同じになる、ということが、経営や事業運営にはとても大切なこと。根本的に意識や考え方が違っていても方向性さえ1つであれば、両者の意見は非常に貴重なものになります。水と油であっても建設的であれば全く問題ありません。

■今日のまとめ

「みなが1つの方向を向けば違った意見や考え方でも共に進化できる」

  • 自社(あるいは部署やプロジェクト)のこれからの方向性を書き出す
  • 書き出した事をみんなで確認し、そこへ向かうための意見を出し合う

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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