「親の財布から金を抜く子供」を叱ってはいけないワケ。正しい教育法は?

 

子育てで「親が叱る」べき場面は少ない

ちなみに私の周囲の成功者の幼少期を聞いてみるといくつか共通点が出てきますが、その1つに「親から叱られたことがあまりない」というものがあります。

親から強く叱られれば、子は親の顔色を窺うようになったり、委縮したり、自由な発想や行動の制限になることがあります。 特に、日常的に叱られてストレスを受け続けると、海馬が委縮したり脳が変形すると言われています。

ストレスによって分泌されるホルモンが、脳の神経新生を抑えるからと考えられているのですが、これはこれで恐ろしいことです。 それこそ「聞き分けのよい子」というのは特に危険で、親の方だけを見て親に気に入られるように自分を抑圧している、あるいは親のいいなりになっている可能性があります。

では、まったく叱られたことがないかというとそうではなく、ウソをついたり家族の約束を守らなかったりしたときには叱られたそうですが、それも「説明された」「諭された」「理由を求められた」「今後はどうすべきなのか考えさせられた」という程度のようです。

しかも面白いのが、「いたずらをしても叱られなかった」という人が多いことです。 いたずらは好奇心や創造力の発露でもありますから、度が過ぎなければ親もおおらかに見ていたということでしょう。

寛容な態度は、子供の将来を明るくする

実際、MIT(マサチューセッツ工科大学)の有名ないたずら伝説があります。

あるとき15階建てのビルほどの高さがある大ホールの丸屋根に、パトカーが置かれていたことがあったそうです。 パトカーは張りぼてだったそうですが、「出入口は施錠され、警備員もいるのに、どうやって入り込み警備員の目をかいくぐっててっぺんまで運んで設置し逃げたのか。これには、相当緻密な計画と実行力といったクリエイティビティが必要だ」と称されているそうです。

世界の名門MITの学生がそういうことをやる、教授陣もそれを認めて許容する。名門校とはガリ勉校ではなく、それがいたずらであっても創造性を称賛する校風ゆえに名門であるということが、このエピソードからもわかるような気がします。

print
いま読まれてます

  • 「親の財布から金を抜く子供」を叱ってはいけないワケ。正しい教育法は?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け