【現役バイヤーイチオシ!】日本の隠れた良質ブランド&オススメアイテム

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今週の気になるブランド【tsuki.s/ツキドットエス】

『【最も早くオシャレになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断』(2015年1月11日号)

メジャーな様でマイナーな、日本が誇る超良質ブランド【tsuki.s/ツキドットエス】。
このブランドを語るには【norikoike/ノリコイケ】というブランドの語りから入らなくてはいけません。

【norikoike/ノリコイケ】。
小池のり子氏が立ち上げた日本発のブランド。
高感度セレクトショップとして世界的に高い評価を受ける「バーニーズニューヨーク」、ユナイテッドアローズの高感度セレクト業態である「ディストリクトユナイテッドアローズ」など日本国内の洗練されたショップの数多くで取り扱われていた、名実共に一流のブランド。

とりわけ「バーニーズニューヨークで取り扱いがある」というだけでブランドは箔がつくもの。
「ディストリクトユナイテッドアローズ」などではカットソーのメインブランドとして大々的に打ち出されるなど
品質の高さを物語っています。

【norikoike/ノリコイケ】を語ると下記の言葉に集約されます。
シンプルなデザイン、着心地が良い、無駄のないシルエット
この3つです。

小池のり子氏は立体裁断を用いて日本人の身体をいかに無駄なく綺麗に見せるかを追求していました。

【norikoike/ノリコイケ】に一度でも袖を通した人なら分かりますが、高級スーツのように無駄がないのです。

高級スーツを知る人なら分かるかと思いますが、高級スーツの至高は「無駄なシワがでない」ということ。
それもそのはず、高級スーツの大きなメリット、存在感の一つに「ツヤ」があります。
極細の糸を使ったウールはまるでシルクの様な見た目となり、スーツを芸術品の様に見せてくれるものです。

そのため、ツヤを阻害するような「シワ」は大敵。
どこまでも人間の身体にフィットし、ウールが持つ美しいツヤを、シワで邪魔されることなく、最大限に表現することを至上としています。

良いスーツはハンガーにかけるとシワが出るものです。
それは立体的に作られている証です。
袖を通して凹凸のある人間の身体に沿った時に、はじめて全てのシワが消える様に作られているのです。

【norikoike/ノリコイケ】のカットソーはまさにコレです。
カットソーにおいて高級スーツを表現しています。

とにかく無駄なシワがでない。
身体の凹凸に沿った「立体」などと程遠い、平面的なパターンが主であるカットソーですが、【norikoike/ノリコイケ】はスーツの様に、立体的な作りで身体を非常に綺麗に見せます。
そしてその立体感が結果動きやすさ、着心地の良さをも担保しています。

素材はコットンにおいては特殊な「度詰めコットン」を使用。
究極まで詰めに詰めた、高密度のツヤ感あるコットンはまるでシルクの様。
高級スーツを彷彿とさせます。

「カットソー」というカジュアルアイテムの代表を、まるで「高級スーツ」というドレスアイテムのように見せる、日本の匠の一人でした。
(ちなみにニットもカットソー以上に、このブランドの得意アイテムです)

92年のブランドスタートから、まさに「地道」にブランドを運営されており、この時代にホームページも直営店も持たずに、セレクトショップなどを中心に展開されていました。

スタッフは少数精鋭。1点1点を目の届く範囲で作り、とても丁寧に物作りを行っていました。
業界内での評価は非常に高く、また一度購入した人がまた買いに来る「リピート率」が驚異的なことでも有名です。

しかしながらその小池のり子氏は、2011年に他界。
その後ブランドは小池氏の片腕であった末永津喜子氏を中心メンバーとし、再構築。

2012年度より【tsuki.s/ツキドットエス】として再スタートを切ったのです。

「名デザイナーのアシスタントは育たない」

というのはアパレル界ではよくあること。
海外のハイブランドなどでもその現象はよくあります。
デザイナー交代をきっかけにブランド凋落というのは枚挙に暇がない程です。

しかしながら、小池のり子氏は本当に少数精鋭で素晴らしい物作りをされていたんでしょう。
片腕である末永津喜子氏が手がける【tsuki.s/ツキドットエス】は【norikoike/ノリコイケ】時代に勝るとも劣らないクリエーションで業界を驚かせました。

職人技術の様な完成度の高いウェアは受け継ぐのが困難かとも思われましたが、100%、120%再現できています。

そんな切ないストーリーや生産背景を無視して見ても【tsuki.s/ツキドットエス】は両手を挙げて素晴らしい。

ニットウェアはこだわりが強烈に強く、品質だけでなく値段も一級なのですが、カットソーは「デイリーウェア」と捉え、毎シーズン買える様な値段になんとか抑えてくれています。

パッと見は本当に地味なんですよ。
なんてことない普通のカットソー。
シルエットは特別太いわけでも細いわけでもない。
着丈も長くなく短くもなく。
デザインはごくシンプル。

でもそれだけに、10年着れるカットソーに仕上がっています。
実は私も7年前に購入した【norikoike/ノリコイケ】のカットソー、去年の夏も現役で着ていました。
クルーネックの半袖カットソーです。

普通ネックがよれたり、生地が擦り切れたりしますよ。
夏に着る半袖ですよ?ありえないことです。

それだけ度詰め生地の耐久性が高く、また飽きっぽい私が7年も同じものを着るという、それだけトレンドに左右されない確かな良さがあります。
ベーシックアイテムとして1枚持っていることをオススメします。
本当に素晴らしいブランドです。
なにはともあれまず一枚、と理屈抜きに語れる非常に良いクリエーションです。

下記、定番のカットソーで今現在買えるものを集めてみました。
これから春にかけて入荷も多くなっていくので、気になる方は注目です。

▼オススメアイテム
BRAND:tsuki.s/ツキドットエス
ITEM:度詰め天竺クルーネック長袖
PRICE:6,372(26%OFF)

▼オススメアイテム
BRAND:tsuki.s/ツキドットエス
ITEM:度詰め天竺クルーネックカットソー
PRICE:8,532

▼オススメアイテム
BRAND:tsuki.s/ツキドットエス
ITEM:度詰め天竺クルーネック半袖
PRICE:8,100

 

『【最も早くオシャレになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断』(2015年1月11日号)

著者/KnowerMag MB
現役メンズファッションバイヤーであり、月間60万PV以上を誇る人気サイトKnowerMag運営者であるMBが伝える洋服の着こなし方。従来型の感覚的ではない、論理的、構築的な内容。誰もが理解できる洋服のセオリーを伝えます。またコーディネートのお悩み、疑問質問などにも回答。Q&A形式にてメルマガ内にて回答します。全ての質問に答えられる訳ではありませんので予めご了承下さい。
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