【書評】認知症患者に押し潰される日本。平均寿命100歳を喜べぬワケ

 

2018年の日本人の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳で、約6年の差がある。歳をとると認知症の人の割合も増えてくるが、女性の方が呆ける割合が多いようだ。アルツハイマー病の平均余命は発症後8年といわれているにもかかわらず、女性の方がはるかに長生きするのは他の病気で死ぬ確率が低いから。同年齢の人口に占める認知症の割合は、75歳までは女性の方がわずかに多い。

そこから差はどんどん開き、90歳以上の女性で認知症でない人のほうが遥かに少なくなる(90~94歳:男性49%、女性65.1%)(95歳以上:男性50.6%、女性83.7%)。こうなると90歳以上の高齢女性では、認知症の人が正常で、認知症でない人は異常だ。この男女差の一つの理由は、認知症を発症した後の余命が、男性の方が短いから。平均寿命が100歳になると喜んでいる場合ではない。

多くの仕事が徐々にAIで代替されるであろうことは、ほぼ自明である。レジ係のような単純な仕事は言うに及ばず、マニュアルに基づいてデータ処理して結果を出すといった仕事は、相当複雑なものでもAIで代替可能になる。税理士や会計士もそのうち消える。高度な経験や知識が必要とされる内科医のような仕事も、AIに取って代わられる。AIに仕事を奪われた社会はどうなるのか。

ベーシックインカムで理想の社会になると考える人もいるが、一番の問題は子供たちが勉強をしなくなることだ。働かなくても暮らしていけるのなら、好きなことしかせず、かなりの人は高等教育を受ける意欲をなくす。国民の知的レベルはどんどん落ちる。今の日本人を見る限り、大半の国民は無教養の烏合の衆になる。その先は考えたくない。著者も私もその頃鬼籍の人だし。

編集長 柴田忠男

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