山口達也のアルコール依存を叩くな。精神科医が日本人に警告するワケ

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9月22日、酒気帯び運転で現行犯逮捕された元TOKIOの山口達也容疑者ですが、アルコール依存症の疑いを指摘し、その状況にあることを批判する意見もあるようです。しかし、「さすがにそれは酷」とするのは、現役精神科医のゆうきゆうさん。ゆうきさんは自身の無料メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』で今回、依存症には境界線がなく、誰にとっても身近なものであるという事実をわかりやすく解説するとともに、「あの人だけがおかしい」と非難されるようなことでは決してないと断言しています。

お酒を1杯でも飲むなら依存症!?

こんにちは。ゆうきゆうです。

つい最近「TOKIO」元メンバーの山口達也さんが酒気帯び運転で逮捕された、というニュースが流れましたね。

2018年にも飲酒に関連した彼の行動が問題となり、書類送検されるという出来事がありました。

「問題起こすほど飲むなんて…」
「自分をコントロールできず、お酒に依存するなんて情けない」

など、いろんな意見が出ています。でも、それはさすがに酷なのではないかと思います。

山口さんだけでなく多くの人が、お酒を飲んでいるだけで、十分に「アルコール依存症」に非常に近い状態になっています。

なぜ非常に近い、というのかというと、「アルコール依存症の人」と「アルコール依存症ではない人」の間には明確な壁が存在していないからです。

どんな人でも、週に1杯でもお酒を飲んでいれば、そしてそれが習慣化しているとするならば、これはアルコール依存症と大差ないと判断されます。

意外に感じた方もいらっしゃるかもしれませんので、ここでお酒以外で考えてみましょう。

お酒以外で考えてみましょう

例えば麻薬。これを定期的に摂取する人はもちろん依存症、しかも深刻な状態です。

しかしながら、「週に1回しか楽しんでないから私は大丈夫!」という人がいたら、どうでしょうか?これも当然依存だ!となるはずです。

または「年に1回、特別な時しかしていない!」

これはどうでしょうか。やっぱり依存だといわれるでしょうね。

定期的に手を出している時点で、「まったくやっていない人」とは雲泥の差があるのです。

アルコールにおいても根本的に一緒です。

「自分は週に1度だけ」と言っていても最終的にどんどん量や頻度が増えていく可能性は大いにあります。

量が増えていく要因として、快感ホルモンといわれる「ドーパミン」が重要になってきます。これはお酒を飲む時も出てきますが、あまりにも簡単に出ていると、どんどん出にくくなり、また効きづらくなってくるといわれています。

よって、お酒やタバコも最初は少量で満足できていたのに、いつの間にか満足できなくなり、量が増えていくのです。そうしなければ、おなじだけ「気持ちいい」と感じることができないからです。

これを繰り返しているとさらにドーパミンは出づらくなり、また更に量も増えてしまう。これが依存の仕組みなのです。

また、ドーパミンというものは人間の「忍耐力」にも関わっています。つらいこと等があったときに我慢することができるのも、ドーパミンのおかげです。

しかしドーパミンが出づらくなるとどうなるか。答えはたった一つ、「我慢できなくなる」のです。

我慢強さがなくなってしまうと、ちょっとしたことでキレやすくなったり、集中力が続かなくなります。

作業一つにしても、ドーパミンが正常に出ている人にとっては10分・20分・30分と集中してできるものが、依存症の人は途中で飽きてしまうようになります。

そして、「疲れたからお酒を補充しなければ!」と思ってしまうのです。

その結果、仕事などにも悪影響が出てきます。

これにより依存症の人は社会生活から外れてゆく、というネガティブな展開が起こっていきます。

それによってさらにお酒の量が増えてしまい、肉体的にも蝕まれて行くのです。

山口さんは今回、飲酒運転をしてしまったわけですが、本来であれば「飲酒運転はしちゃいけない」と理解し、我慢できるはずが、アルコールによって判断力も鈍り、また我慢も出来なくなってしまい、「まあいいか」と問題行動に走りやすくなってしまったのでしょう。

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