重要なポイント
残念ながら、人間はそんなに単純には出来ていません。それぞれに「自分」というものがあるからです。いくら「報酬」が良くても、いやいや働くということもあります。それでは、本当に動いてもらっていることにはなりません。ですから、経営者は従業員に楽しく働いてもらうことが必要です。
ところが、この「楽しく働く」ということが一筋縄ではいきません。難しいことに挑戦するのが好きな人もいます。ただコツコツと作業をこなすのが好きな人もいます。人との接触が好きな人もいます。何が楽しいかということは、まさに人それぞれです。つまり、そうした人たちをお店は雇っています。その人たち全部に楽しく働いてもらうのは、本当に難しいことです。どうしたらいいでしょう。
そのためには、経営者は人をよく見なくてはいけません。そして、その人にあった仕事を担当してもらうことです。例えば、数字が苦手な人やおおざっぱな人に、経理や管理を任せてはいけません。対話が苦手な人に接客や営業は任せられないでしょう。リーダーシップがあるかどうかも見ることです。人は、自分の特性や能力にあった仕事は楽しくやります。これが人に動いてもらう経営のポイントです。
とはいえ、だからといってそれで経営がうまく行くとは限りません。実は、「人に動いてもらう」ための一番重要なポイントは、あなた自身にあります。つまり、経営者が「やる気」を持つことです。経営者の「やる気」は、従業員を動かします。単純なようですが、それが一番の特効薬です。
もう一度言います。周りの関係する人たちに動いてもらう根本は、経営者自身にあります。「やる気」をもって、自分の考えを伝え、望む方向を指し示すことです。
ところで、あなたの「やる気」のもとはどこにあるでしょう。「夢」でしょうか、それとも「思い」でしょうか。それが「報酬」だとしたら、人は動いてはくれないでしょう。ぜひ、人に動いてもらって良い経営をしましょう。
■今日のツボ■
・経営とは、人に動いてもらうことである
・人は指示命令を受け入れなくては、動かない
・経営者が「やる気」を持てば、人は動いてくれる
image by: Shutterstock.com