単なるお飾りでしかなかった安倍前首相
しかし、これは逆なのです。2016年に補充の候補者3人を任命しなかったのも、2018年と今年9月に内閣法制局に問い合わせをしたのも、すべては当時の官房長官だった菅義偉氏が主導していたのです。首相だった安倍晋三氏は、菅義偉氏による強権人事を事後に追認していただけでした。ようするに、安倍晋三氏は単なるお飾りで、人事の実権を握って采配していたのは菅義偉氏、そして、菅義偉氏の手足として動いていた実行部隊は、コネクティングルーム不倫でお馴染みのエロガッパ、首相補佐官の和泉洋人氏だったのです。
菅義偉氏は、首相になる前日に「内閣人事局は見直ししない」と公言し、自分が首相になったら「政府の方針に反対する官僚は異動してもらう」とテレビで官僚を恫喝しました。そして、自分が首相になると、さっそく懐刀の和泉洋人氏を首相補佐官としました。これは「安倍政権以上の強権人事宣言」であり、その第一弾が、今回の憲法違反の越権行為だったのです。しかし、今回の問題はあまりにも傍若無人でした。まだ始まったばかりなので、今後、どのように進展して行くか分かりませんが、もしも菅首相がこのまま強行突破を目論めば、これ1つで内閣が吹き飛ぶほどの大問題になるかもしれません。
(『きっこのメルマガ』2020年10月7日号より一部抜粋)
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