「学術会議を悪党に」暴かれた菅首相とその仲間たちの7大デマゴギー

 

5.答申を出していない?

■ 下村博文(自民党政調会長)@記者会見、10月7日

政府に対する学術会議の答申は2007年以降出されていない。活動が見えていない。ちょっと色々な課題がある のではないかと我々は思っております。

■ 河野太郎(行革相)@記者会見、10月8日

政府への勧告が2010年以来、10年間行われていない。年度末に向けて、予算あるいは機構定員については聖域なく、例外なく、しっかりと見ていきたい。

● 学術会議が専門的な立場から意見を表明する方法は「答申」「回答」「勧告」「要望」「声明」「提言」「報告」の7つがある。答申は、読んで字の如く、諮問があればそれに答えるものであって、政府が諮問をしなければ答申は出てくるはずがない。

● 「勧告」は政府に強く実現を求めるもので、余程のことがなければ発せられるものでないようで、なぜ河野がこれだけを問題にしているのかは不明。

● 「報告」は政府や省庁から「審議依頼」を受けてまとめるもので、2007年以降に以下の10件がある。

  1. 生殖補助医療をめぐる諸問題に関する審議依頼について(08年)
  2. 大学教育の分野別保証の在り方について(10年)
  3. 河川流出モデル・基本高水の検証に関する学術的な評価(11年)
  4. 高レベル放射性廃棄物の処分について(12年)
  5. アジアの大都市制度と経済成長に関する検証および日本への示唆(12年)
  6. 国際リニアコライダー計画に関する所見(13年)
  7. 科学研究における健全性の向上について(15年)
  8. 国際リニアコライダー計画の見直し案に関する所見(18年)
  9. 人口縮小社会における野生生物管理のあり方(19年)
  10. 科学的エビデンスに基づく「スポーツの価値」の普及のあり方(20年)

10番目のものは、今年6月18日にスポーツ庁から審議依頼を受けてまとめている。また2008年以降、学術会議からは321の提言が出ている(BuzzFeedNews10月9日千
葉雄登記者)。

● 今年だけで9月末までに83本の提言・報告を提出。……

「性的マイノリティの権利保障をめざして」
「大学入試における英語試験のあり方について」
「感染症の予防と制御を目指した常置組織の創設について」

など国民生活に直接関わる多様な提言をしている(10月15日付赤旗)

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