これらの大きな駅には、いろいろな食品が売っているので、ランチを急ぎで食べたい時に、ちょっと買ってコーヒーと一緒にこのブースで食べる、などという使い方もできるかと思います。
ITメディアの記事によると、JR東日本は、「都会を動き回るビジネスパーソンが、移動拠点の駅でも働けるようになれば、“もう1件追加でアポイントメントを取る”“移動時間を有効活用して仕事を早く終わらせる”といったことが可能になると考えた」とのこと。
シェアオフィスなどを駅中に作ることは、スペース的に難しかったので、ブース型になったということですが、そこが逆に新しいですよね。
マーケティングにおいて、誰に買ってもらうかという、需要が大きいかどうか、ターゲットは誰か、ということと、何を買ってもらうか、自社の差別化ポイントは何か、ということを、最初に考えます。
この2つは鶏と卵の関係のように、どちらを先にすべきか、ということは、状況に応じて変わりますが、このJR東日本のシェアオフィスのケースでは、ビジネスパーソンのスキマ需要に、自社が持っている立地という差別化ポイントを、うまく当てた、といえるでしょう。さらに、学生が「あ、自習室だ」という感じで使う、意外な需要もあったようです。
新常態でのビジネスはどう展開すべきか?
新型コロナウイルスの感染防止の中で、通勤自粛こそ減ってきましたが、リモートワークが増えたり、ということもあり、JRをはじめ鉄道各社は、本業の鉄道事業での収入がかなり減っています。そんな中で、駅という便利な場所の中に、働ける場所を提供して収益を上げる、という今までありそうでなかった発想での、新規事業といえます。
そこに、ちょっとしたスペースが欲しい、というユーザーのニーズと、JR側の空いている土地を活用したい、という、チャンスのマッチングになります。この考え方は、有休地の活用、という意味で、他の業界にも展開できるコンセプトですよね。
例えば飲食店の方々は自社が持っているスペースを、その場所にありそうな消費者のニーズを見つけて、できることを提供することで、本業に追加しての売り上げにつなげることも、できるかもしれませんね。
image by: JR東日本(「駅ナカシェアオフィス STATION WORK」ニュースリリース)