元検事が暴くTBSの嘘。『朝ズバッ!』不二家叩きデマ報道との死闘全記録

 

「カントリーマアムの再利用証言ビデオ」が存在する可能性

『朝ズバッ!』の放送で流されたのは、「チョコレートの再利用」の「顔なし証言」だった。その放送の2日前に、TBS側が不二家側への事実確認の電話をかけていた。そこで、質問してきたのは、「チョコレートの再利用」と「カントリーマアムの再利用」の両方だった。

「カントリーマアムについて、捨てようとしていたら上司に怒られ」という具体的な発言内容を不二家側に示しているのだから、TBS側には、そのとおりの内容の「カントリーマアム再利用証言」が存在するはずだ。

ところが、平塚工場ではカントリーマアムは製造していない。

つまり、「平塚工場におけるカントリーマアム再利用」は客観的事実としてあり得ないのである。

平塚工場で製造していないカントリーマアムについて、その工場内で売れ残り品を再利用する作業をしていたと証言した「元従業員」の証言は明らかに事実に反しており、まったく信用できない。

それどころか、そのようなことを証言する人間が、果たして平塚工場の「元従業員」なのかにも重大な疑問が生じる。

『朝ズバッ!』のディレクターは不二家への事実確認の電話でカントリーマアムを平塚工場で製造していないと知らされた。

それによって、カントリーマアムを再利用したとする「元従業員証言」が信用できないことは十分に認識できたはずだ。

ところが、そのような「元従業員の証言」に基づいて、『朝ズバッ!』では、不二家平塚工場の「チョコレート再利用疑惑」を放送し、出演者が寄ってたかって不二家を断罪し、みのもんた氏は、それを理由に「不二家は廃業しろ」とまで言ったのである。

しかも、放映されたチョコレート再利用についての「証言映像」に出てきた「捨てようとしていたら上司に怒られ」というフレーズは、不二家への事実確認の際にTBSディレクターが告げた「カントリーマアムについての証言の内容」と酷似している。

『朝ズバッ!』で使われた「チョコレート再利用についての証言映像」は、実際には、「カントリーマアムの再利用証言」を切り取って、すり替えて使ったものではないか、チョコレートを再利用したとする証言映像は存在しないのではないか。

私は、タクシーの後部座席で、思わず「これだ!」と声を上げた。

この「朝ズバッ!」報道をめぐる問題を追及し、それを世の中に明らかにすることができれば、マスコミから総バッシングを受けている不二家にとって“起死回生の一打”になるのではないかと考えた。

不二家側の電話メモから明らかになった『朝ズバッ!』の捏造疑惑の概要を不二家の広報室長に伝えた。

その問題に関するマスコミ対応についても、社長から一任を受けた。

ちょうどその頃、導入を控えて議論が盛り上がっていた裁判員制度に関して、文藝春秋の月刊誌『諸君!』に掲載する私のインタビュー記事のことで、編集担当者と話を進めていた。

私は、その編集担当者を通じ、週刊誌の『週刊文春』の編集部に、『朝ズバッ!』の捏造疑惑に関する情報を提供した。

不二家側も、平塚工場での取材など週刊文春の取材に協力することになり、取材が始まった。

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