元検事が暴くTBSの嘘。『朝ズバッ!』不二家叩きデマ報道との死闘全記録

 

信頼回復対策会議報告書で『朝ズバッ!』の虚偽捏造報道の疑いを指摘

3月30日、不二家信頼回復対策会議の調査報告書を公表し、議長として記者会見に臨んだ。

不二家側に関する問題も十分に指摘した。

食品衛生面や品質保持上の問題はなかったが、食品製造現場の客観的な適正さの管理が不十分だったために消費者の「安心」を損なった。

それを招いた原因として企業の体質、経営者のリーダーシップの欠如、危機対応の失敗などを厳しく指摘した。

一方で、TBS『朝ズバッ!』の虚偽捏造報道の疑いにも言及し、不二家はTBSに対する損害賠償請求の提訴も検討すべきだと提言した。

報告書には、1月20日のTBSからの事実確認の電話に関する女子社員のメモを添付し、3月25日の不二家とTBSとの会談の録音中、TBS側がカントリーマアムについての証言ビデオが存在していると述べている部分などを、会見の中で公開した。

この録音の公開については、TBS側の事前了解はとらなかった。

TBS側がクレームをつけてくることは予想できたが、録音自体については了解を得ているし、極めて公共性・社会的重要性の大きい問題であることに加えて、TBS側が会議での発言内容をその後の会見等で覆しており、公表する社会的必要性がある。

もし、TBS側が問題にしてくるのであれば、公開の場での反論を行いTBSに論争を仕掛けることも可能になると考えたからであると会見で説明した。

会見場では、会見者席の後に設置したボードに、全国から届いていた不二家への応援メッセージの文面を全面に貼った。

「『ペコちゃん頑張れ』のメッセージとペコちゃんの絵を書いた手紙」が私と不二家社長の間に見え、会見映像にも映っていた。

会見は大成功だった。

不二家の不祥事報道には、重大な誤解や歪曲があるとの指摘に、記者からの質問・反論が相次いだが、私は、信頼回復対策会議の調査結果に基づいて説明し、報道に関する問題を具体的に指摘した。

会見の途中から、「不二家バッシング」は「TBS捏造疑惑追及」にモードが切り替わっていった。

その日の夜、TBSの広報室が、

「捏造は行っていない。不二家側のメモが間違っている。会議録音の無断公表は道義、モラルにもとる」

とするコメントを出した。

不二家の信頼回復対策会議は3月末で活動を終えたが、その後、私は不二家とは無関係に、桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター長を務めるコンプライアンスの専門家としての私的な立場でこの問題の追及を続けた。

週末をはさんだ月曜日の4月2日、私は、TBSの社長宛に公開質問状を送付し、関係するメディアに公開した。

本件の公共性・重要性を指摘した上で会議録音の公開に踏み切った理由を説明し、その説明を受けてもなお「道義、モラルにもとる」と考えるのであれば理由を示すよう求めた。

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