次々と新機能が搭載されたスマホや電化製品が発売され続ける昨今にあって、通話に限定した携帯電話や昔ながらの二層式の洗濯機が一定程度売れ続けていますが、そこには企業の戦略が存在しているようです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、その戦略を分析・解説。さらに佐藤さんは、とある酒蔵の試みを紹介しつつ、常連客を大切にすることが新規顧客の呼び込みに繋がる理由を明かしています。
置いてきぼりにしない
通話に限定した携帯電話があります。ネットはもちろん、メールもできません。機能は、固定電話と同じ。複雑な機能は使いこなせない、メールなど使わない、という高齢者向けに開発されました。
二層式洗濯機が、いまも売られています。従来の全自動や最近のドラム式は、便利ですが、無駄な機能がたくさんついています。また、意外に細かな設定ができず、使い勝手が悪いこともあります。こうした問題から、使い慣れた二層式を買う人が、まだまだいるのです。
ブルーレイレコーダなどが、高機能化する反面、単純に、DVDを再生するだけのプレーヤーも売れています。やはり、高機能を必要としないお客さまがいるからです。
世の中が便利になっていくのは良いことですが、複雑過ぎて、使い方がわからない人たちが、たくさんいることも忘れてはいけません。そういう人たち向けの商品・サービスを提供することもビジネスチャンスなのです。
常連さんを大切にした先
ある酒蔵では、新酒利き酒会「蔵開き」と称するイベントを行っています。常連さんだけをご招待し、酒や蔵の歴史を語ったり、蔵の見学や利き酒会、新商品の紹介、即売会などを実施しています。
特に即売会は、“ここでしか買えない”“限定販売”という商品を出し、酒好きの常連さんを狂喜させています。
新規客の獲得ばかりに眼が行きがちですが、もっとも大切なのは、常連さんを放さない工夫です。
このように、常連さんだけの特典を用意することが、お客さまの虚栄心をくすぐり、ファンで居続けてくれるのです。
また、こうしたイベントは、マスコミに取り上げられやすいので、イベントに参加したいと望む人が増え、“常連にならなければ”と、足繁くお店に通う人が多くなります。
常連さんを大切にすることで、新規客にアピールしているのです。
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