ヒントは「ワンテーマ」。閑古鳥が鳴く商店街に客が押し寄せた事例

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このご時世にあって驚くほどお客様が集まる街と、休日であっても閑古鳥が鳴く商店街。何が両者の差を拡げてしまったのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、中華街やコリアンタウン、巣鴨地蔵通商店街といった街に学ぶ「同じテーマで集客する方法」を解説。さらに和歌山で展開されているラーメン店と寿司店のユニークな協力体制も紹介しています。

競合が協働すれば、強大になる!

たとえ小さなお店でも、いくつかが集まって力を合わせれば、集客力のある安定した商売が行えます。たとえば…。

同じ方角を向いているお店・商売人がたくさん集まっている場所があります。日本三大中華街、東京・新大久保や大阪・鶴橋のコリアタウンなどが、その代表だと考えてください。「中国」や「韓国」をテーマにした料理店や食材店、雑貨店が集まっている街です。

なぜ、彼らが同じ場所に集まっているのか。それは、集合体でいる方が注目されやすく、集客力が高くなるからです。日本の商店街も基本的には同じような集合体なのですが、そこにテーマが無いため、目的を持って来るお客さまがいなくなるのです。東京の巣鴨地蔵通り商店街が賑わっているのは、“おばあちゃん”というテーマがあるからです。このように、明確なテーマを持った集合体には、人が集まって来るのです。

そこで、集客に苦労しているお店への提案としては、「テイストの同じ店で集合する」ということです。同じテーマを持っているお店が近くに集まり、相互にお客さまを紹介したり、共同キャンペーンを実施したりして、相乗効果を高めるのです。

たとえば、ハワイをテーマにしたカフェがあるならば、その近くに、フラダンス教室、ハワイアンキルトのお店、シェイブ・アイス(かき氷)のお店などを誘致できれば、その地域が“ハワイの街”となり、注目率・集客力が大きくアップします。みんなの力を結集すれば、面白く楽しい街が創れます。

また、別角度の協力体制もあります。和歌山ラーメンのお店では、各テーブルに「早寿司(はやずし)」と呼ばれる、アセという葉でくるんだ“なれ寿司”が置かれています。お客さまは、これを勝手に取って食べることができます。と言っても無料ではなく、後で自己申告してお金を払います。

この早寿司は、ラーメン屋さんが作っているのではなく、別のお店が作っているものを仕入れています。ラーメンとお寿司とは珍しい組み合わせですが、和歌山ではこれが定番となっています。

元々は、屋台のラーメン屋さんに、お寿司屋さんが売り込んだものだと言われています。屋台では、ごはんものを出したいと思いながらも、その場で作るにはスペースが無く、作り置きすると傷んでしまいます。

そこに眼をつけたのがお寿司屋さん。お寿司なら腐りにくく、場所も取りません。しかも、一つずつ葉っぱにくるまれているので、片手で食べられます。大きさも値段も手頃なことから、定着していったのです。

同じ食べ物屋、つまり競合であるはずのラーメン屋さんに売り込んだお寿司屋さんに、“お見事”と言うしかありません。普通なら、食料品店やスーパーに売り込むことを考えそうなものですが、ラーメン屋さんを選ぶとは、柔軟な発想です。

このように、少し視点を変えて、新しい“カタチ”を探し出せば、必ず道は拓けます。諦めないことが肝心です。

image by: Pabkov / Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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