あえて言おう、大阪コロナ重症センター看護師の給与は安すぎると

 

改めて考えてみると、最前線で戦う医療従事者は一年も経たない間に三つの大きな感染の波を経験したことになる。そして目下の第三波が最悪最大である。言うまでもなく医療従事者だって人間である。体も心も傷つく人間である。現場は疲弊しているに違いない。これが分かっているなら現状の医療従事者一人の頭数をそのまま一人分の戦力として数えていい訳がない。今の政府は、消耗戦における潜在戦力の目減りを全く計算に入れていない。だから常に、何かが、誰かが、足りないのである。

やはり「Go To」と同等の規模、スピードでの医療拡充を図るべきであった。というより、医療の拡充の度合いに合わせて「Go To」は進めるべきであった。飽くまで慎重に進めるべきであった。そして「すわ、感染」となれば速やかに停止すべきであったのだ。実際、最新の東京大学の研究によれば「Go Toトラベル」を利用した人の方が利用しなかった人に比べ2倍のコロナ罹患率になる、ということであった。

去る12月4日の総理会見では多くの時間が「カーボンニュートラル云々」の説明に割かれていた。その間ずっとテレビ画面の左下にはコロナ患者の数や重症者・死亡者の数などのデータが表示されていた。このズレにはさすがに違和感、というより気持ちの悪さを感じた。

本当に大事なことが分かっているのだろうか。分かっていてごまかしているのだろうか。少しばかり明るいことでも口にすれば世の中が俄かに活気づくとでも思っているのだろうか。その気持ちの悪さはいつまでもしつこく口の中に残り続けた。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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