東京大学先端科学技術研究センター、児玉龍彦名誉教授は、東京都心4区で希望者全員のPCR検査をするよう提唱する。
「新宿などで保育園がエピセンター化しつつある」。1月7日のネット番組「デモクラシータイムス」で、児玉氏はこう語った。昨夏のコロナ第2波では都心の繁華街がエピセンターと目されていたが、いまや保育園なのだという。
子供はコロナに感染しにくいという先入観を捨てなくてはならないようだ。たしかに、新宿区のホームページを見ると、昨年12月2日以降、保育園や小学校の子供と、保育士、教師たちの感染事例が次々と並んでいる。
園児や児童のPCR検査をやるのは難しく、これまでのところは重症化する例が少なかったため、自治体や保健所は、感染者が出ても濃厚接触者とせず、そのために実態がわからないままだった。
児玉氏は言う。「保育士と先生の一斉検査をして、出たところは全員検査しないとダメ。保育所とか高齢者施設の検査をもっと必死で考えて全力を注がないと大変なことになる」
緊急事態宣言を出しただけで、コロナ感染が収束するわけはない。夜の飲食、通勤などとあまり縁のない子供や老人、その周辺の人々の間に音もなくウイルスが広がり、“染み出し”の根幹部分を形成しているとすれば、それを見つけるための検査を徹底的にしなければならない。
専門家は誰も1か月で感染拡大が止められるとは言わないのに、菅首相は1か月にこだわっている。経済への影響を最小限にという気持ちもわからぬではないが、東京五輪や諸々の政治日程から逆算したようなシナリオを描いてみても、うまくコトが運ぶとは思えない。ウイルスは相談に乗ってくれないのだ。
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